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スライスの洗礼から、いかに脱却するか?(2)

2011/10/26 09:00

スライスの洗礼を放っておくと・・・

スライスの洗礼から脱却するための第一歩として、前回は、グリップの基本についてお話しました。しかし、ゴルフを始めた誰もが通る、スライスの洗礼を長年そのままにしておくと、アドレスやスイングにも影響を及ぼし続け、いつしか悪い癖となって定着してしまいます。

今回は、アドレスを中心にその悪い癖を解きほぐしていきましょう。スライスの洗礼を放置したスライサーである受講者が、典型的な悪癖を見せてくれますよ。(受講者・西川さん、ゴルフ暦2年半、ベストスコア106)

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アドレスで右肘が突っ張っていませんか?

ゴルフを始めて間もない頃のスライスは、ゴルフクラブが開きやすいという特性に対処していないことで起こるものです。(詳しくは前回をご覧くださいね。)

しかし、右に行くことが慢性化してくると、右を避けるようなアドレスやスイングへと変わっていきます。ところが、右を避けようとするほど、もっとスライスしやすい状態を生んでしまうんです。不思議ですよね。まずは、ご自分のアドレスを確認してみてください。こんな風に、右肘をまっすぐに突っ張って構えていませんか?

右肘が突っ張って肩のラインが開く

おそらく、右に大きく曲げてしまうのを恐れて、無意識に肩が左に向いてしまうのでしょうか?スライスが染み付いた人のアドレスは、たいてい肩のラインが飛球線よりも左方向を指し、右肘がまっすぐに突っ張った形になっていることが多いんです。スイングの軌道は、肩のラインに沿うように作られます。従って・・・

スイングの軌道はアウトサイドインになりがち

アドレスの時点から、肩のラインが開いているので、テークバックではその方向に沿って上がる形になります。つまり、テークバックの時点から外に上がってしまうのです。

スタンスを飛球線に平行にしていても、肩のラインが大きく開いていれば、スイング軌道はアウトサイドインになり、右を嫌っているはずなのに、スイング軌道はもっとボールを擦りやすい形へと変化しているのです。右肘をまっすぐに突っ張っているとさらに・・・

右肘がたたみづらくなりアウトサイドインが強まる

アドレスで右肘が突っ張っている状態だと、上写真のように、右のグリップがかぶった形になりやすいんです。このまま、テークバックするとうまく右肘をたたむことができなくなり、下写真のように外へと上がりやすくなります。これで、右がイヤだから左へ振り抜く体勢のできあがり。

この対処で、うまく真ん中へ行ってくれれば良いのですが、実はその逆で、もっと擦りやすく危ない軌道になっています。振り遅れればもっと右へ。小手先で返そうとすれば、タイミングが合わずに、大きく引っかけるという、とっても不安定な軌道になのです。ではまず、どこから直せばよいでしょうか?

肩のラインを飛球線に平行にキープ

まずは、アドレスでスタンスを決めたら、肩のラインが開かないように注意して左のグリップを決めます。そして、右腕は肘が下を向くように軽く曲げて握るようにしてください。右肘を突っ張ると、右肩が前に出て、すぐに肩のラインが開いてしまうことが分かるはずですよ。

右のグリップは下から握る感じになります

前回のレッスンで、左のグリップは親指と人差し指のV字が、右肩を指すように握るお話をしました。左右のグリップは、手のひらが向き合うような形が理想です。ですから、右のグリップは手のひらがやや上を向き、下から握るような形になります。

このようにセットしておけば、テークバックでは右肘を普通に曲げるだけで、クラブは自然にインサイドに上がっていくようになります。これを癖にするだけでも、アウトサイドインの軌道は次第に改善されていきますよ!次回はハーフバックで意識すべき点について、詳しくお話したいと思います。

■ 藤澤伸一インストラクター プロフィール

1984年生まれ、東京都出身。駒澤大学ゴルフ部を経て、現在コナミスポーツクラブ荻窪南口勤務。その人の悩みの原因を、素早く見つけるのが得意。そんなレッスンを通じて、ゴルフの楽しさを伝えることが一番のやりがい。