スピード上達!

スライスの洗礼から、いかに脱却するか?最終回

2011/11/16 09:00

バーチャルラウンドで総仕上げ!

体に染み付いてしまったスライスの癖。その年月が長いほど、反射的にスライス癖が戻り、なかなか一筋縄には解消しがたいところです。でも、これまでお話してきたレッスンを忠実に実践していただければ、きっとスライスの洗礼を脱し、ショットに開眼するはずです。

さて、今回は総仕上げ!実戦の思わぬところで、スライス癖がぶり返してしまわないよう、実際のラウンドで気を付けるべきポイントについてレッスンしていきましょう。舞台は北海道クラシックゴルフクラブの4番ホールです。(受講者・西川さん、ゴルフ暦2年半、ベストスコア106)

【撮影協力】コナミスポーツクラブ目黒

スタンスを左に逃がさないこと

初心者は、ターゲットに対してスタンスが右に向きがちですが、スライス癖が染み付いてくると、無意識にスタンスだけ左に逃げてしまう場合があります。振り出す方向は変わらないのに、スタンスだけ開いているので、インテンショナルにスライスを打つような構えになりがちなんです。

必ず、ボールの後方からターゲットを確認して、ボールの前方1mくらいに短い目標を決めて、それに対して平行にスタンスを決める癖をつけましょう。

ボールの位置に要注意!!

どんなに素晴らしいスイングをしていても、ボールの位置が狂っていれば、ミスショットは必至。単にボールの位置が悪かっただけなのに、自分のスイングにも疑念が沸いてしまいます。

スライスの癖が染み付いている人は、外からクラブが降ろすようになることは、これまでお話した通りです。アウトサイドインに振る癖があると、ボールを右に置いて、掴まえようとしがちです。しかし、正しいボールの位置は左足かかとの、やや内側が正解。コースでミスショットをしたときには、スイングを疑う前に、まずボールの位置に狂いがなかったか確認すべきです。

ボールとの距離にも気を配りましょう

ボールの左右の位置に加えて、気を配りたいのは体とボールとの距離。西川さんの場合、クラブが長くなると、ボールと体との距離が必要以上に遠くなる傾向があります。写真のように、右肘をまっすぐに突っ張ってしまう癖が出るからです。

腕を地面と垂直に垂らした状態でグリップしたら、これまでのレッスンでお話したとおり、右肘は前腕の内側が上を向くようにして、軽く曲げてください。右肘をまっすぐに突っ張ると、肩のラインが開き、外からクラブが降りやすくなりますよ!

下半身が止まっていませんか?

ラウンドの後半にショットが乱れるという人は、スイングそのものよりも、肉体的な疲労が原因であるケースが考えられます。疲れてくると、下半身が止まってしまい、それを補うように手打ちになってきます。小手先を返して掴まえようとすれば、大きく引っ掛ける危険もでてきます。18ホール、しっかりと下半身を使えるよう、体力アップにも目を向けたいところです。

足の付け根から前傾していますか?

セットアップも然り。前半では、しっかりと足の付け根から前傾して、太ももの後ろ側に張りを感じていたのに、後半、疲れてくるとセットアップがおざなりになりがちです。西川さんの場合、骨盤が寝て前傾姿勢がきちんとできていない時がありますよ。

そんなときは、直立した状態から、足を曲げないようにして、手を足に沿わせて下ろし10秒間キープ。このエクササイズで、ももの後ろの張りを意識し、前屈の柔軟性を保つようことに努めてください。18ホール、正しい姿勢を保つことを心がけましょう。

スライスの古巣に戻らないように!

今回のレッスンで、スライスの洗礼から脱却するスイングのコツを掴み、右に大きく曲げることはなくなってきました。カットに当たるパワーロスが減っただけでも、かなり飛距離がアップしましたよ。

しかし、コースでは景色によるアドレスの狂いや疲労によって、いままで慣れ親しんできたスイングについつい戻りがちです。これまで、お話してきたレッスンを、根気良く守り続けて、スライスの古巣に戻ってしまわないように努めましょう!

■ 藤澤伸一インストラクター プロフィール

1984年生まれ、東京都出身。駒澤大学ゴルフ部を経て、現在コナミスポーツクラブ荻窪南口勤務。その人の悩みの原因を、素早く見つけるのが得意。そんなレッスンを通じて、ゴルフの楽しさを伝えることが一番のやりがい。