<ゴルフと筋肉>お尻&太もものストレッチ
「臀筋(でんきん)」はお尻、「ハムストリングス」は太ももの後ろ側の筋肉
「臀筋」はいわゆるお尻の筋肉。臀筋を構成するのは大臀筋、中臀筋、小臀筋--の3つになります。
・大臀筋…臀部の主要な筋肉であるばかりでなく、人体の中で最も大きな単一の筋肉です。日常の生活でも、体の健康を保つ上でも大きな影響を持っています。また、タイトなパンツを履いた際などにも目立つ部分なのでシルエットという意味でも気になるという方は多いのではないでしょうか。
・中臀筋…お尻の側面、上部に位置する筋肉。大臀筋の上部にあり、一部は大臀筋に覆われています。発する力が強い筋肉で、こちらも外から形状が分かりやすいので、美しいお尻を手に入れたいという方は鍛えるべき部分だと言えるでしょう。
・小臀筋…中臀筋と同じくお尻の側面の上部にあり、中臀筋の奥深くに位置しています。3つの臀筋の中では最も小さな筋肉です。
「ハムストリングス」は太ももの後ろ側に位置し、膝関節と股関節を結ぶ比較的大きな筋肉。大腿後面にある大腿二頭筋、半膜様筋、半腱様筋の3つを合わせて「ハムストリングス」と総称されています。ちなみに「ハムストリング」とは「もも肉のひも」という意味で、豚肉でハムを作るときにもも肉をぶらさげるために、豚の足のこれらの腱が使われたことに由来しています。
膝関節を曲げる、股関節を伸ばす
「臀筋」「ハムストリングス」ともに、膝関節を曲げる機能と、股関節を伸ばす機能が主な働きです。
大臀筋は歩行時はあまり使われず、立ち上がる時など、股関節が伸展する際に作用します。中臀筋は小臀筋とともに股関節の外転、内旋の働きに関わっており、例えば、歩行中に体重が片足にかかった時に、逆側に骨盤が傾かない様に保持をする役割をしています。
「ハムストリングス」は別名「ランナー筋」とも呼ばれ、走ることが多い人、特にスプリンター系の人はこの筋肉がよく発達します。膝を屈曲して、股関節を伸展する動作は、まさにダッシュする時の動きです。この筋肉は外側と内側の筋に大別でき、外側は大腿二頭筋で、内側は半腱様筋、半膜様筋が役割を担っています。これらの筋は、股関節と膝関節の内旋外旋を微妙に調節しながら屈曲伸展を行います。
ゴルフではどう使われる?
膝関節を曲げる、股関節を伸ばすといった動きは、ゴルフのプレー中は常に繰り返されています。ラウンド中の歩行に始まり、カートの乗り降り、ティアップ、カップからボールを拾い上げる動作には膝や股関節を使っています。アドレス姿勢の維持や、スイング中の下半身安定等にも当然関わってきます。
日常的に意識せずに使っている筋肉だけに、可動域は加齢とともに狭まりがちです。歩行中に何も無いところで足が突っかかって転倒しそうになった、なんて心当たりのある方もいるのではないでしょうか?この場合、小臀筋、中臀筋の能力低下を疑った方がいいかもしれません。
臀筋のストレッチ
椅子に座って片足を反対側のももに乗せ、膝を開きます。膝が床と平行になるところまで開き、その状態を10~20秒キープします。無理のない範囲で進めていき、余裕があれば膝と胸を近づけていきましょう。
ハムストリングスのストレッチ
立ったまま両足をクロスして10~20秒、前屈します。太ももの裏側に張りが感じられれば有効です。まずは無理のない範囲で、お風呂上がりなどに張りを感じることから始めてみましょう。
監修/ダンロップスポーツクラブ 流山おおたかの森 支配人:伊藤 宜充