<ゴルフと筋肉>背中のストレッチ
「脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)」は背骨の両側の筋肉群
脊柱起立筋は背骨の両側を縦に長く走る筋肉群です。一つの筋肉を指すのではなく、複数の筋肉で構成されています。
脊柱起立筋は大きく3つに分類され、最も外側にあり代表的なものが「腸肋筋(ちょうろくきん)」です。次に内側に位置するのが「最長筋(さいちょうきん)」で、名前の通り脊柱起立筋群の中で最も縦に長い筋肉です。さらに内側にあるのが「棘筋(きょくきん)」となります。
背中の中心部に位置し、背骨の動きをコントロールする重要な役割を担っています。体のあらゆる動きに関与しており、この筋肉群を傷めたりすると肩こりや腰痛の原因になりかねません。
姿勢を維持する、上体を動かす
脊柱起立筋を収縮させることで、上半身を起こし背筋を伸ばした姿勢を維持します。左右両側の筋群が作用すると背中を反らせる動き、片側のみの筋群の作用で身体を横に傾ける側屈や回旋の動作をします。
他の筋肉と比べて非常に細くて長い脊柱起立筋は、日常生活に大きく関わっていながら、体感的には使っていることを意識することが難しいため、ダメージを防ぐためにもストレッチは有効です。
また、脊柱起立筋を鍛えることで姿勢が美しくなるほか、体の基礎代謝が上がることでダイエット効果も期待できるかもしれません。
ゴルフではどう使われる?
体幹作りの要である脊柱起立筋はゴルフにも大変大きく関わります。アドレス姿勢の維持や、ボールを拾い上げる動きなどはもちろん、スイング時に軸を保ちながら滑らかに体を回転させる上で重要な役割を担います。
ゴルフ練習場などでがむしゃらに打ち込み過ぎて、背中や腰を痛めてしまった経験がある方は多いと思います。猫背や反り返リ過ぎた姿勢でのアドレスや、力み過ぎのスイング、無理に頭を残したショットなどは脊柱起立筋などに負担がかかります。また体が温まっていない状態で力んだショットをすると、背中のケガのリスクが高まるので注意しましょう。
日常的に脊柱起立筋を鍛えてパワーアップすることで、ゴルファーなら誰もが望む飛距離アップも期待できるでしょう。
脊柱起立筋のストレッチ:その1
四つん這いになり頭とお尻を下げていく。腹筋を上げるようにして背中を丸めて脊柱起立筋を伸ばす。10秒キープ×3セット
脊柱起立筋のストレッチ:その2
椅子に座り腕を上に伸ばし、ゆっくりと息を吐きながら足の間へ前屈する。脊柱起立筋の伸びを感じながら3秒で前屈して6秒キープ。その後ゆっくりと元に戻す。(3セット)
監修/ダンロップスポーツクラブ 流山おおたかの森 支配人:伊藤 宜充