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ゴルフ練習場は1階と2階どっちがイイの? 教えてメリット・デメリット

2020/09/08 11:45
1階2階、あなたはどちら派?(masy/PIXTA)

「どっちで練習しよう?」――横長のレーンに2階建てという構造が多い打ちっぱなし練習場(以下、練習場)で、ゴルファーなら一度は悩んだことがある1階か2階かの選択。多くのアマチュアの指導にあたる、『クラブ試打 三者三様』でもおなじみ筒康博氏にそれぞれのメリットとデメリットを聞いた。

■1階:“50yd圏内”に強くなるが、基礎練は不向き

サンスクエアゴルフの1階打席・中央からの視界

「1階のメリットは、50yd内のアプローチ練習に適している点です。理由はボールの着地まで実戦と同じ感覚で確認できるから。鋭角なのか鈍角なのか。弾道を最後まできっちり把握することで、スピンコントロールの精度を上げることにつながります」

「逆にデメリットは、無意識にスイングがアッパー軌道になりやすい点です。練習ボールを使うと、打ち出しは本球より1、2度低くなります。また1階は打ち上げや目標が受けているケースが多く、ボールを上げようという意識が働いてしまうのです」

■2階:“スイング固め”に最適だが、左足下がりに注意

2階打席・中央(写真上の1階の真上)から撮影

「2階のメリットは、基本スイングの習得に向いている点です。1階より着地までの時間が長く、キャリーをじっくり確認できる。無理に上げようとする動きが出にくく、力みもとれて、体の突っ込みがなくなる。良いイメージを作りたい時には最適と言えます」

「2階のデメリットは、雨の水はけ対策として打席が少し左足下がりになる練習場が多い点です。平らな状態よりも、ダウンブロー軌道が強くなったり、屋根から落ちたくないという無意識な反応から、体重移動が消極的になる傾向が考えられます」

■左右・真ん中:サイドネットを活用する?しない?

横長の広大な練習場では、階数だけではなく左右・中央のポジションによっても景色がガラリと変わる。「これもそれぞれメリット・デメリットがあります」と筒氏は続ける。

同練習場の左端と右端から撮影

「左右どちら側でも、サイドネットがボールの曲がり幅の目安となり、弾道をチェックしやすいというメリットになります。中央は、広大なフェアウェイに打っていく感覚で、細かいことを気にせず基礎練習に向いていると言えます。逆に、左右は目安に捉われすぎる点。中央は目安がなさすぎる点が、それぞれのデメリットになる可能性があります」

「以前から、打ち出しでサイドネットに当たらないという理由で、フェードの人は右側の打席、ドローの人は左側の打席を選ぶほうが良いと言われてきました。ですが、最新モデルのクラブはストレート弾道を打ちやすくする傾向が強く、逆方向に大きく打ち出して曲げて戻す構造になっていないので、持ち球で打席を選ぶ必要がなくなっていると言えます」

■昼:1階で実戦想定 夜:2階でスイング固め

1階と2階、左右と中央、それぞれのメリットとデメリットを把握できたところで、筒氏がおすすめする打席の選び方を聞いた。

実戦向きの練習なら昼、スイング固めなら夜

「まず時間帯ですが、昼なら1階、夜なら2階が良いと思います。ラウンド本番は主に昼ですので、実戦さながらの感覚を養えるということで、1階をおすすめします。またラウンド前日なら1階、スイングを固めるなら2階。ボールが上がりやすい7番アイアンより短い番手なら1階。ロフト角が立った5・6番アイアンより長い番手なら2階に移動しても良いと思います」

最後に、筒氏は「自分のスイングや距離感を固めたい人なら、いつも同じ打席を選ぶべきだと思いますが、可能であれば打席をいろいろと変えてみて、それぞれの状況に応じた練習をすると、本番でも動じない勝負強いゴルファーになれると思います」と、打席の固定に縛られないスタンスを勧めた。

1階・2階・右側・左側・中央――。それぞれメリット・デメリットはあるようだが、いろいろ打席を選ぶことで、柔軟に対応する実戦力が身につくとのこと。練習場へ行く予定のある人は、打席選びの参考に。

筒氏が提案する練習場おすすめゾーン目安図

取材協力/サンスクエアゴルフ、千代田ゴルフセンター、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。