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デシャンボーの極太グリップは試す価値アリ?

2021/03/30 11:45
極太グリップを長く愛用するブライソン・デシャンボー(Mike Ehrmann/Getty Images)

冬の寒さは日増しに和らぎ、いよいよ本格的なゴルフシーズンが到来した。ラウンドに備えてクラブやシャフトを調整するのも大事だけれど、見落としがちなのがグリップのサイズだ。ツアープロは時間をかけて最適な太さに調整することも多い。グリップ選びがスイングに与える影響を全3回にわたって考察する。

極太グリップのメリットって?

米国男子ツアーでいま最もホットな選手のひとりは、ツアートップの飛距離を誇るブライソン・デシャンボーだろう。次々と独自のスタイルを取り入れることでも話題は尽きない。その一つに、ドライバーに採用する極太グリップがある。米国ドミナントゴルフ社『Jumbo Max ULTRALITE』のXLサイズ(外径1.44インチ/3.65cm)を使用しており、市販サイズでは最大級とされる。果たしてどんなメリットがあるのか気になるところだ。

ツアープロコーチの堀尾研仁氏は「グリップが太いとフェースターンが抑えられるので、引っかけるミスを抑えられ、ボールが左に行きにくくなるのだと思います」と極太グリップの効果を推測する。さらに、グリップの表面積が多いことで手との密着性が高まる点を挙げる。「太い方がよりホールド感が強まり、コントロール性も高まりやすいので、あれだけのヘッドスピードで振れるのかもしれません」。また、グリップが通常よりも重いぶん、相対的にヘッドの重量感が減り、振り抜きやすくなるカウンターバランスの効果も想像できる。

向くかもしれないゴルファーは?

では、誰もがデシャンボーのような恩恵を受けられるのか。堀尾氏は「スイングタイプによっても向き・不向きがあるので、誰にでもメリットがあるとは一概に言い切れないと思います」という。その上で、試す価値はありそうなケースを次のように指摘する。「例えばデシャンボーのようにフェースターンをほとんど使わないタイプや、フェースの大きな開閉によりチーピンが出やすいタイプ。あとは、個人的にベースボールグリップ(野球バットの握り)に適しているようにも感じます」

堀尾氏が述べるように、太い、または細いグリップにはそれぞれ適性があり、サイズが合っていなければスイングに悪影響を及ぼす可能性がある。次回は、グリップサイズによる球筋の傾向について考える。

■ 堀尾研仁 プロフィール

1971年4月16日生まれ。デビッド・レッドベターに師事し、2002年よりツアープロの帯同コーチとして活動開始。翌03年に田島創志、04年に高橋竜彦のコーチに就き、2選手の初優勝に貢献。16年は塚田陽亮が日本ゴルフツアー選手権で優勝。現在は多数のツアープロのコーチを行う傍ら「KEN HORIO GOLF ACADEMY」を主宰。アマチュアへのレッスンを精力的に行っている。

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