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アマチュアは新女王・稲見萌寧のアドレスを真似するな

2021/12/23 08:10
稲見萌寧の〝Y型〟アドレスはマネると危険? 矢野東が解説

稲見萌寧のスイングを完コピしようとする人を無理に止めるわけではないが、どんな選手のスイングだって、アマチュアが真似をすべきではない点もある。男子ツアーでの活躍と並行して、現在はレッスン活動にも携わる矢野東が、アマにはおススメできないポイントを深掘りする。

稲見の〝Y型〟アドレスを推奨できないワケ

アマチュアが真似すべきではないポイントは、ずばりアドレスだ。「稲見選手のアドレスが悪いというわけではありませんが、ボクが勧めている形とは違います。稲見選手のアドレスは〝Y型〟、アマチュアの皆さんにおススメなのは動きやすい〝逆K型〟です」

Y型のアドレスは体全体がスタンスの中央にあり、手元は体の中央寄り。腕とクラブで作った形が大文字のYのようになる。一方、逆K型は腰を左に寄せたアドレス。手元も体の左寄り。正面から見ると、左足から左肩までのライン、左腕とクラブが一直線になる。全体としては逆K、腕とクラブだけを見れば、小文字のyにも見える形だ。

矢野東がアマチュアに推奨する〝逆K型〟のアドレス

「アドレスではグリップした右手が左手よりも低い位置にあるので、肩のラインも右が低くなります。逆K型のアドレスをとり、骨盤のラインを肩のラインに揃え、背骨を真っ直ぐにした方がテークバックで回転しやすくなります」。Y型のアドレスの場合、肩のラインと骨盤のラインがずれて、背骨のラインにゆがみが生じる。これがスムーズな回転を妨げる一因になる。

「稲見選手がY型のアドレスからでもいい動きができるのは若くて柔軟性があり、トレーニングもしっかり積んでいるから。準備の段階から一般のアマチュアとは違います。また、アドレスやスイングからは飛距離よりもスピンコントロールを重視しているのも伝わってきます」

アマチュアの場合、飛距離とスピンコントロール、どちらを求めているか? 恐らくは圧倒的に前者。矢野が逆K型を推奨するのは「1Wでは自然とアッパーブローになるので、飛ばしという点でも有利」だからだ。稲見を参考にしている人も、アドレスだけは逆K型を意識してみよう。

取材協力/FIVE ELEMENTS

■ 矢野東 プロフィール

1977年7月6日生まれ。群馬県出身。ツアー通算3勝。2000年にプロ転向し、08年にシーズン2勝を挙げて賞金ランキング2位に輝いた。ツアープロとして活躍する傍ら、現在は都内のゴルフスタジオ「FIVE ELEMENTS」でチーフコーチとして活動中。

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