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開幕戦V・西郷真央の“動かない右ヒザ”を真似するのは危険!?

2022/03/11 12:07
トップの位置で右ヒザがほとんど動かない西郷のスイング(左)。矢野は右ヒザを伸ばす形(右)を推奨する

アマチュアが真似したら手打ちになるでしょうね。ボクもこんな風には動けません」。ツアーと並行して、近年はレッスン活動にも力を入れる矢野東が、女子ツアー開幕戦を制した西郷真央のスイングを分析。アマチュアには真似できないポイントを指摘する。

右ヒザの固定を推奨しない理由

矢野が「ボクにもできない」というのは西郷のトップの形。右ヒザがアドレスからほとんど動かず、曲がったままで、腰の回転は少なめ。それでいて、しっかりと肩が入っている。「アドレスを見ても、つま先をほとんど開いていませんし、かなり体が軟らかいんでしょうね」。並の柔軟性では再現できないスイングというわけだ。

一般のアマチュアが右ヒザを動かさずにスイングをすると、どうなるのか。「体が回らず、クラブが上がらないので、手で上げることになります。典型的な手打ちです。また、トップで手元が背中側に入っていかないので、アウトサイドインになりやすい。無理に体を回そうとすれば、腰痛になる恐れもあります」。柔軟性の違いを無視して、スイングの一部分を真似しても、いいことはひとつもない。

西郷選手以外にも右ヒザをほとんど動かさないプロはいますが、普通は真似できません。トップでは右ヒザを伸ばして、腰を回す。ボクもそうしていますし、アマチュアの皆さんにも、絶対それをおすすめします」。今から柔軟を頑張るなんて選択肢はないはずだ。

取材協力/FIVE ELEMENTS

■ 矢野東 プロフィール

1977年7月6日生まれ。群馬県出身。ツアー通算3勝。2000年にプロ転向し、08年にシーズン2勝を挙げて賞金ランキング2位に輝いた。ツアープロとして活躍する傍ら、現在は都内のゴルフスタジオ「FIVE ELEMENTS」でチーフコーチとして活動中。

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