上田桃子は典型的なドローヒッターのスイング 真似すべきはテークバックにあり
上田桃子は4月に早くも今季初優勝を飾るなど、悲願の国内メジャータイトルに向けてベテラン健在をアピールしている。アマチュアへのレッスンにも定評がある矢野東が「ドローヒッターの典型」と評するスイングから、真似すべきポイントを見ていこう。
スライサーが取り入れたいヒント満載
しっかりとボールをつかまえるドローヒッターのスイングは、ボールをつかまえ切れないスライサーには参考になるポイントが満載だ。「トップで腕のラインが肩のラインとそろっているのがいいですよね。インサイドから自然とクラブが下りてくるポジションです」。過去に真似をするのは危険として取り上げた「マスターズ」王者、スコッティ・シェフラーの高いトップとは対照的。ドローとフェードという持ち球の違いもあり、上田のトップはアマチュアのお手本となる位置に収まっている。
他にもボールをつかまえる要素が詰まっている上田のスイングで、アマチュアがすぐにでも真似したいのがスイング中のフェース面の向き。「後方からの映像や連続写真を見ると分かりやすいんですけど、テークバックでも、ダウンスイングでもフェース面がボールを向いています(写真上)。開いたフェースを閉じるのではなく、常にシャットに使っているんです」。
この動きを実践するポイントは、アドレスで作った腕と上半身の関係を変えずに体の回転でテークバックすること。「腕や手首でテークバックをとると、クラブはアウトサイドに、フェースは開いて上がってしまいます。力を入れてぎゅっと閉めるわけではありませんが、アドレス時の左脇が閉まった状態をキープする意識を持つといいでしょう」。スライサーからドローヒッターに変身するにはこれが第一歩だ。
■ 矢野東 プロフィール
1977年7月6日生まれ。群馬県出身。ツアー通算3勝。2000年にプロ転向し、08年にシーズン2勝を挙げて賞金ランキング2位に輝いた。ツアープロとして活躍する傍ら、現在は都内のゴルフスタジオ「FIVE ELEMENTS」でチーフコーチとして活動中。
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