あなたは知っていた? オーガスタ12番に“激似?”のホールが日本にあった
ジョン・ラーム(スペイン)の初優勝で幕を閉じた今年の「マスターズ」。連日連夜のテレビ観戦による“時差ボケ”の尾を引いているゴルフファンも少なくないだろう。
マスターズの舞台は言わずと知れたオーガスタナショナルGC(ジョージア州)だ。中でも12番ホールは「世界一有名なパー3」と評しても過言ではない。ピンクと白のアゼリアの花が背景を彩り、グリーン手前を流れるレイズクリーク、選手とキャディだけが渡ることを許されるホーガンブリッジが、まるで絵画のように配置される、世界で最も美しいホールの一つだろう。
一方で、巧みに仕掛けられたワナと、上空を渦巻く読みにくい風が選手を翻弄(ほんろう)し、2016年にジョーダン・スピースが「7」、20年にタイガー・ウッズが「10」をたたくなど数々のドラマを演出してきた難ホールでもある。まさにマスターズを象徴するホールだ。
ゴルファーであれば一度はプレーしてみたいところだが、無論それは簡単ではない。であれば、日本国内に存在するゴルフ場の似た雰囲気のホールで、気分だけでも味わえないものか? そこで、やや“無茶ぶり”ではあるが、編集部のつてやSNSを駆使してレイアウトや風景が似ているホールを募ったところ、複数のコース名が挙がったので紹介しておきたい。
目次
- 1. 静ヒルズカントリークラブ(茨城県)15番
- 2. 新奈井江カントリークラブ(北海道)4番
- 3. カヌチャゴルフコース(沖縄県)2番
- 4. ロックヒルゴルフクラブ(茨城県)レイクコース2番
- 5. 有馬ロイヤルゴルフクラブ(兵庫県)ロイヤルコース6番
- 6. 白鷺ゴルフクラブ(兵庫県)3番
- 7. 妙高サンシャインゴルフワールドくるみヶ丘(新潟県)7番
- おしい!
1. 静ヒルズカントリークラブ(茨城県)15番
中嶋常幸が設計・監修し1987年に開場した静ヒルズカントリークラブ(茨城県)の15番。もともとオーガスタの12番をイメージして設計されたとあって、ティイングエリアに対してグリーンが斜めに傾いたレダンスタイル、手前を流れる小川、バンカーの数や位置など…うーん、かなり似ている。距離はレギュラーティで136yd、バックティで160yd(オーガスタは155yd)。ホール難度を示すハンディキャップは「14」とオーガスタほどシビアではなさそうだ。
2. 新奈井江カントリークラブ(北海道)4番
札幌市と旭川市の中間に位置し、雄大な空知平野を望むフラットな林間コース。トーナメントの開催実績を持つ新奈井江カントリークラブの4番も、オーガスタ12番をイメージして設計されている。オーガスタのように背の高い木々に囲まれてはいないが、クリーク左側にはホーガンブリッジと瓜二つの橋がかけられており、バンカーの位置もほぼ一緒。グリーンは少しだけ大きく、距離はレギュラーティで136yd、バックティで152ydとなっている。冬季クローズを経て2023年度は4月15日(土)にオープン予定だ。
3. カヌチャゴルフコース(沖縄県)2番
沖縄県名護市のカヌチャリゾート内、原生林が息づくヴィレッジコース(アウト)と、太平洋の水平線を望むシーサイドコース(イン)からなる雄大なカヌチャゴルフコース。その2番ホールはバンカーの位置がやや異なるが、右奥に伸びる横長のグリーンと森が迫るグリーン奥の雰囲気がオーガスタ12番によく似ている。さらにクリークの右側にはホーガンブリッジを彷彿とさせる石橋がかかる。距離はレギュラーティで128yd、バックティで171ydの設定。
4. ロックヒルゴルフクラブ(茨城県)レイクコース2番
池を随所に絡めた繊細なレイクコースと、岩や池を巧みに配した雄大なロックコースの、計36ホールからなるロックヒルゴルフクラブ(茨城県)。中でもレイク2番のレイアウトがよく似ており、左側にはホーガンブリッジを模した橋もかかっている。支配人によるとコース設計にはジャック・ニクラスが携わっており「当然(オーガスタを)意識していたと思うけど、グリーン手前にショートしても池に転がり落ちるほどではないのでご心配なく」とのこと。
5. 有馬ロイヤルゴルフクラブ(兵庫県)ロイヤルコース6番
チョイス誌(ゴルフダイジェスト社)の伝統企画「日本のベスト100コース」に入選する名コース、兵庫県の「有馬ロイヤルゴルフクラブ」にもオーガスタ12番に似るホールがあった。恵まれた地形にレイアウトされたロイヤルコースは名匠・上田治の設計で、6番は2段の池が特徴的な名物ホールだ。水面に映るグリーン周りを囲む生い茂った森の雰囲気がどことなく似ている感じがする。レギュラーティで146yd、バックティで158ydと距離も近い。
6. 白鷺ゴルフクラブ(兵庫県)3番
3つの池越えショートホールを有する1996年開場の白鷺ゴルフクラブ(兵庫県)。中でも3番はグリーンに対してのバンカーやハザードのレイアウトがよく似ている。距離はレギュラーティで129yd、バックティで163yd、ハンディキャップは「11」と難度は見た目ほど高くはない。「LIVゴルフ」のCEOを務めるグレッグ・ノーマンの設計とはちょっと皮肉な気もするが、支配人によると、オーガスタを意識して設計されたかは定かではないとのこと。
7. 妙高サンシャインゴルフワールドくるみヶ丘(新潟県)7番
新潟県の南西部、長野県との県境近くに位置する妙高サンシャインリゾートは、遊園地、キャンプ、ホテル、ゴルフと家族で楽しめるリゾート施設。その中にはパー72の妙高サンシャインゴルフ倶楽部と、すべてパー3からなるショートコースの妙高サンシャインゴルフワールドくるみヶ丘があり、ショートコースは各ホールが世界の有名なホールをモチーフに作られている。オーガスタ12番を再現したのは7番ホール。距離は104ydと短いもののグリーンは横長なので、縦の距離感が重要なのはオーガスタ12番と同じだ。
おしい!
名前が挙がったものの編集部が「おしい!」と判断し、掲載を見送ったコースもせっかくなので紹介しておきたい。
・千葉桜の里ゴルフクラブ(千葉県)3番
・鶴舞カントリー倶楽部(千葉県)東4番
・富里ゴルフ倶楽部(千葉県) 4番、7番
・ゴルフ5カントリーオークビレッヂ(千葉県)14番
・カレドニアン・ゴルフクラブ(千葉県)5番
・小見川東急ゴルフクラブ(千葉県)12番
・清澄ゴルフ倶楽部(埼玉県) 17番
・有田リソルゴルフクラブ(和歌山県)4番
・望月リソルゴルフクラブ(長野県)12番
いかがだろうか。物言いがつきそうな気がしなくもないが、まだこれらのコースをプレーしたことがないゴルファーは、ぜひラウンドして実際に確認してみてほしい。「ここはオーガスタの12番だ!」と思い込んでショットすれば、もしかしたら一瞬でも現地にいるような気分になれるかも?