森田さ～ん、全英女子のお天気は？ 「落ち着かない空模様に」／森田正光のメジャー天気予報

米女子ツアーのメジャー最終戦「AIG女子オープン（全英女子）」が22日に開幕する。ことしの舞台はスコットランドのセントアンドリュースオールドコース。TBSのニュースでもおなじみ、気象予報士の森田正光さんに現地の大会期間中の天気を解説してもらった。

夏でもずっとヒンヤリな一週間に

セントアンドリュースオールドコースでのメジャー開催は、2022年の男子「全英オープン」以来となります。セントアンドリュースはことし全英が行われたロイヤルトゥルーンとはグレートブリテン島のちょうど逆サイド、北海に面した位置にあります。

緯度は北緯56度とかなり高く、基本的には冷涼な気候が特徴です。8月の平均気温は15℃ほどで、最高気温は上がったとしても20℃に届くか届かないぐらい。涼しいというよりも、ヒンヤリといった印象になると思います。セーターや厚手の上着の用意が必要ですね。

夏はヒンヤリですが、冬は海に面していることもあって寒くなり過ぎず、氷点下まではいきません。年間を通して暑すぎず寒すぎずといった気候になります。雨量は8月の月平均で80mmに届かないぐらいなので特別に多くはありません。ただし、降る日にはザッと降るという傾向があり、雨予報の場合は対策が必要ですね。

さらに、セントアンドリュースの特徴としては「海霧」が発生しやすいこと。これは春から夏頃にかけて、暖かくなった空気が海面水温の低い北海上に流れ込むことで起きます。暖かい空気中の水蒸気が海面付近で冷やされて凝結して霧になるんです。

暖かい空気が海面に流れ込むタイミングとは、相対的に暖かい海域から風が吹いたり、日が昇って地表が暖められたころに陸から海に風が吹いた時など。あまり強い風だと霧が吹き飛ばされてしまうため、ほどほどの東寄りの風が吹いている時などに発生する可能性があります。スコットランドの北海側は海水が冷たい上に、風も大西洋側ほど強くはありません。海霧が発生しやすい条件が揃っているんですね。

では、気候の特徴を踏まえて、ことしのAIG女子オープンの4日間の天気予報を見ていきましょう。

大会期間中は変わりやすい天気に

毎日同じマークが出ていますが、実際のところ大会期間中はかなり変わりやすい天気となりそうです。言葉で表すと「曇り時々晴れ、ところにより雨」といった様子で、落ち着かない空模様に。

原因は、北の海上で発達する低気圧です。セントアンドリュースから離れた所をこの低気圧が通過していくため、低気圧周辺の雨雲がかかり切らず、天気が読みにくい。気温は日中も20℃に届かないので、日差しがないと寒いくらいかもしれません。少し厚着をした方がよさそうです。

心配されるスコットランド東海岸特有の海霧に関してですが、南西の風がやや強まるため、吹き飛ばされてしまうのではと予想しています。

協力／ウェザーマップ