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ゴルフのトーナメント観戦は「ハーフで何歩?」テレビでは伝わらない“歩くスポーツ観戦”の実態調査

2026/10/01 15:00
選手と一緒にハーフを歩いたら何歩に到達する?

◇国内女子◇住友生命Vitalityレディス 東海クラシック◇新南愛知CC美浜C(愛知)◇6565yd(パー72)

プロのプレーを見ながら歩くだけで、思った以上に運動になるらしい――。そんな健康志向のファンを意識した歩数チャレンジが、「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」の会場で行われていた。会場内で計測した歩数に応じてグッズがもらえるという面白い企画。実際に気になるのは「ゴルフのトーナメント観戦はどれくらい歩くのか」という点だ。

そこで今回は、もっぱら練習日にばかり取材をしていて、純粋なギャラリーとしてコースを歩く機会が少ない編集Kがチャレンジに挑戦。鈴木愛、服部真夕、イ・ミニョン組をスタートホールから追いかけてみた。

「歩くスポーツ観戦」の実態とは

4~5番ホール間で現れた長い階段を上る

実際にコースを歩いて気づいたのは、「止まって」→「歩いて」→「止まって」という切りかえの多さだ。つまりずっと歩いているわけではなく、止まるシーンも多いということ。選手がアドレスに入るとボランティアの方から「プレー入ります」の声が掛かり、ギャラリーもみな一斉に足を止める。まるで「だるまさんがころんだ」状態で、鬼から「あっ、動いた」と言われないように、止まっているときはじっとしていた。

そして選手が打つのを見届けたら、再び動き出す。近くのホールから歓声が聞こえる一方、目の前では静寂の中でショットが繰り広げられる。こうした独特の空気感も、現地観戦ならではだった。

もちろん、歩くのは平坦な道ばかりではない。ギャラリー導線にはアップダウンがあり、場所によっては長い階段(百段は超えていそうだった)も現れる。選手を追いかけていると、いつの間にかかなりの距離を歩いていた。野球場やサッカースタジアムのように席に座って観戦するスポーツとは違い、ゴルフトーナメント観戦はまさに「歩きながら楽しむスポーツ観戦」だと実感した。

観戦だけでなく、会場全体を楽しむ

会場内には見どころが多い。地元グルメを味わえるキッチンカーが並び、地域の子どもたちが描いた選手の似顔絵も展示されていた。

「東海クラシック」は半世紀以上の歴史を持つ大会のため、毎年来ているという地元住民の来場者も目立った。プロスポーツの大会でありながら、どこか地域のお祭りのような温かさも感じられた。選手を追いかけるだけでなく、こうしたイベントエリアをのぞいて回るのもトーナメント観戦の楽しみ方のひとつと改めて実感した。

9ホールを歩き終えて8500歩に到達

先着順でもらえる冷感グッズ

朝9時にスタートをして、前半9ホールを見終えたのは正午前だった。スマートフォンの歩数を確認すると、表示は約8500歩。普段なら1日かけて歩くような歩数に近い。ハーフだけでも、歩数は想像以上に積み上がるようだ。

今回のチャレンジはひとまずここで終了。8000歩を達成したことで、「冷感グッズ」をゲットできた。プレー観戦を楽しむだけでなく、途中で歩数を確認する楽しみがあるのも、会場を歩く後押しになっていた。

なぜ8500歩がすごいのか

8000歩ウォーキングチャレンジのブース

住友生命と医療統計データサービス事業を展開するJMDCでは、歩数データと健診・医療データを用いて、歩数と健康状態との関係を分析した「健康増進白書」を発表している。白書によれば、厚生労働省が推奨する1日8000歩の水準を年間平均で達成している人は、歩数データ連携者のうちの約35%にとどまるという。

さらに、約18万人を対象とした分析では、1日の平均歩数を1000歩以上増やした人と、増やさなかった人を比べたところ、BMIや血圧、血糖値、脂質などの健診値が改善する傾向が見られ、ほかにも入院回数や入院医療費も低くなる傾向が見られた。これらの結果から、歩数の増加と健康状態の改善には一定の関連がある可能性が示されている。

「あと1000歩」が健康に影響を与える可能性がある一方で、8000歩を継続して達成することは簡単ではない。そう考えると、トーナメント観戦の前半9ホールだけで8500歩という結果は、なかなか興味深い数字ではないだろうか。

ゴルフ観戦は“歩くきっかけ”になる

最終日にはより多くのギャラリーが集まる

普段の取材では練習場やクラブハウス周辺で過ごす時間が長く、ギャラリーとしてコースを歩き続けることはほとんどない。だからこそ今回、真剣勝負の迫力を間近で味わいながら、気付けば午前中だけで8500歩に到達していたことには素直に驚かされた。

ゴルフトーナメント観戦は、トッププロの技術を目の前で見られるだけでなく、自然の中を歩きながら会場全体の雰囲気も楽しめるレジャーだ。「健康のために歩かなきゃ」と意識しなくても、好きな選手を追い掛けているうちに歩数が増えていく。もし近くでトーナメントが開催される機会があれば、ぜひ一度コースを歩いてみてはいかが。スマートフォンの歩数計を見て、思わぬ数字に驚くかもしれない。(編集部・仮屋美遊)

時には道なき傾斜地を歩くこともある