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「富士山から順目です」は都市伝説!? ウソかホントか真相究明

2017/06/27 17:00

「そもそも“芝目”はあるの?」から、真偽を確かめに!!

富士山周辺のコースを回ると、キャディさんからよく「富士山から順目です」というセリフを耳にする。ウソか、ホントか――。そもそもグリーンに“芝目”が存在するのか!? その真相を確かめに、麓にある富士桜カントリー倶楽部富士レイクサイドカントリー倶楽部を訪れた。

「“芝目”は必ず存在します」

「結論から言うと必ず“芝目”は存在しますよ」と語るのは、この道20年のベテラングリーンキーパー和泉秀峰さんだ。

「芝の本数が多く、芽の数が多ければ自然と風や水の流れなどの影響で、“芝目”が生まれます。芽の数が少なければ、影響される度合いも小さく、“芝目”がないのです」と語る。

『富士山から順目』はごく微小レベル!

「“芝目”は確かにありますが、富士山からの流れが影響してすべて“順目”になっているかと聞かれたら、私は噂レベルかなと思っています。気持ち的にそう感じるというか(笑)。ですから、キャディさんによっては『富士山から順目です』という人もいれば、『目はないです』という人もいるのが現状です」

【ごく微小な理由.1】「芝目<傾斜」のコースが多い

「“芝目”が大きく影響されにくい理由としては、富士の麓は“傾斜”が強いところが多く、“芝目”より“傾斜”を重視するべきだからです。傾斜が多くあって、グリーンの芝をしっかり刈っているコースは、“芝目”の影響は少ないです」

【ごく微小な理由.2】「逆狩り」で“芝目”を変えている

見えにくいが、刈り込みのラインが入ったゼブラカット

「“芝目”の影響が少ないもうひとつの理由は、“逆狩り”といって、ついてしまった“目”とは逆に刈る場合があるからです。いつも同じラインで刈っていると、どうしてもクセがついてしまいます。クセがつくと芝と芝が重なりやすく、病気を発生しやすいのです」

「“逆狩り”をすることで一本一本芝を立たせ、通気性を良くし、病気を防いでいます。また、刈り込みを行って芝を立たせることで、日差しから守るという意味合いもあります。紫外線から根元を守り、病気を防いでいるのです」

順目か逆目かの判断は困難!アマチュアには無理…

これは順目? 逆目? どっち??

最後にアマチュアが正しく順目と逆目を見分ける方法を聞くと、「それは難しいですね。いつもコースにいるキャディさんでも難しいと思いますよ(笑)。一応見分け方は光を反射している“白っぽい”のが寝ている証拠、これが“順目”です。“黒っぽい”のは芝が立っているので“逆目”です」という。

“芝目”より“傾斜”で攻略せよ!!

“白っぽい”“黒っぽい”と教えてもらったは良いものの、実際にグリーンに立つとどちらが順目かを判別するのは難しかった。

結論としては、富士山が近くにあるにせよ、“芝目”を判別するより“傾斜”をしっかり見極めることに集中したほうが良さそうだ。ただし“芝目”は必ず存在するので、頭の片隅に入れてプレーすることをおすすめしたい。

撮影協力/富士桜カントリー倶楽部富士レイクサイドカントリー倶楽部
東京から近く、中央高速で90分。美しい富士山の眺望をバックに楽しめる本格派コースの「富士桜」と赤松によってセパレートされた格調の高い林間コース「富士レイクサイド」。「富士桜」では今年も、8月31日から9月3日に国内男子『フジサンケイクラシック』が開催される。