“あるあるレッスン”に潜む罠

「バウンス角が大きい=やさしいウェッジ」の罠

2020/06/09 17:00
ウェッジに表示されたバウンス角。アプローチの難度を分ける要素のひとつだ

スイングやクラブ選びにおいて、正しいことをしているはずなのに何故か進歩しない。そんなアマチュアゴルファーは、当たり前と思っていることに潜む「罠」にハマっているのかもしれません。今回は、レッスンスクール「ゴルフテック」の三田貴史コーチが、失敗をしないクラブの選び方について解説します。

「ミスのリスクが高まるケースもある」

基本的にアプローチショットは、クラブヘッドのソールを芝に滑らせた状態でインパクトさせます。その滑らせる働きをするのが、ソールにある出っ張り部分の“バウンス”です。一般的にバウンス角が大きい(ハイバウンス)ウェッジは、ソールが滑りやすい構造のため、ダフりなどのミスが起こりにくくなります。しかし、ライの状態やスイングタイプによっては、角度が小さい(ローバウンス)ウェッジのほうが適する場合があることを覚えておきましょう。

まず、中間的なバウンス角は10度くらいと考えてください。芝が生えそろったライで低く転がすアプローチを打つときは、それよりも大きなバウンス角のウェッジを優先的に使いましょう。対して、芝が薄いライでは、バウンス角が一桁台のローバウンスのウェッジがお勧めです。ハイバウンスだとソールが地面を跳ねやすくなり、トップや距離感が合わないミスのリスクが高まるからです。また、ボールを高く上げるロブショットを打つ場合も、フェースを開いたときにソールが浮きにくいローバウンスのウェッジが有効です。

バウンス角はソール出っ張り部分の角度を指す

ソール形状&バウンス角の関係性を知る

ウェッジを選ぶ際にバウンスへの意識を強めると、より自分のプレースタイルに合ったセッティングに仕上がると思います。複数本のウェッジを入れる場合は、ハイバウンスとローバウンスの2タイプを揃えておくのも良いでしょう。

バウンスへの明確な狙いを持ってウェッジを探す場合は、ソール形状とバウンス角の関係性を知っておくことも大切です。幅が広いワイドソールのウェッジは、その形状がハイバウンスと同じ役割をしてくれるため、表示バウンスの角度が小さくてもソールが滑りやすい構造になっています。ソール形状とバウンス角をセットで考えて、自分が求める性能のウェッジを正しく選びましょう。