エコー特集
2024/03/01

履いた瞬間に「なんかいい」ゴルフシューズの秘密

天然皮革のケアは洗顔と同じ?

天然皮革の手入れは「洗顔」と同じと考えれば問題ない(撮影:角田慎太郎)

天然皮革の良さを感じながらも、一方で「手入れが難しいのでは」と思われがちだ。しかし、この懸念点は意外と簡単に解消されると平賀は話す。

「例えて言うなら、人間の顔と一緒なんです。家に帰ってきてから、まずは洗顔剤などで顔を洗うと思いますが、それと一緒で、まずは水で汚れを落としてもらって大丈夫です。次に化粧水をつけるのと同じで、シューズも洗った後は専用のクリームやコンディショナーで保湿をします。後は、乳液を塗ってバリアするのと同じ意味合いで、防水スプレーを行う。この3つのケアで、天然皮革は十分良い状態を保てます」

最高の履き心地を得るためには、履きっぱなしというわけにはいかない。ただ、少しのケアをしっかり行えば、最高の心地良さを感じ続けられる。そのノウハウは、皮を知り尽くしているエコーだからこそ提言できるわけだ。

一体成型で違和感を抱かせないミッドソール

特別なミッドソールで各々にフィットする履き心地が得られる(撮影:角田慎太郎)

天然皮革ともう一つ、エコーのシューズ作りにおいて特徴的なのが「FLUIDFORM(フルイドフォルム)」という製法だ。

靴作りにおいて「ラスト」と呼ばれる木型の製造は重要な項目だが、エコーの木型は解剖学的に足の立体感を研究。独自のアナトミカル(解剖学的)ラストを採用している。具体的には足の土踏まずの部分を正確に成型し、足裏の凹凸に沿ったラストを実現しているのだ。そのアナトミカルラストの立体感を最大限に生かす製法が「フルイドフォルム」となる。

「(靴の底のインソールとアウトソールの間にある)ミッドソールは弾力性のあるポリウレタンで作られています。モデルによって(「S-Three」)は、先端部が指を動かせるように軟らかく、中央部分は横方向の捻れが出ないように最も硬くしてあります。そして、かかと部は最初に地面に着地する部分なので、衝撃の吸収を高めるために、ミッドソールの硬さを可変的に調整してあります。これらをパーツ分けして作るのではなく、素材を流し込んで一体成型している点が他社とは異なる特別な技術です」

パーツ毎に硬さ調整をするわけでなく、一体成型の中で特徴を生み出すため、硬さの変化による違和感が生まれない。極端なことを言うのであれば、どのシューズも同じ硬さにはならないので、一足一足が履いた人の個性に合わせて、馴染んでいくのだ。

衝撃だったフレッド・カプルスの活躍

世界ゴルフ殿堂入りを果たしているカプルスの足元をエコーが支える(画像提供:エコー)

「フルイドフォルム」によって作られたミッドソールがいかに優れているかを証明し、エコーのゴルフシューズを一躍世界に広めたのが、2010年マスターズでのフレッド・カプルスの活躍だろう。

カプルスは、腰やひざのけがの影響で全盛期の輝きを失いつつあったが、初日トップに立つなど優勝争いを繰り広げたのだ。スコアもさることながら、スニーカー姿で飄々とプレーするカプルスの足元にも注目が集まった。裸足でシューズを履いていたとのエピソードも話題となり、ブランド名が一気にブレイク。現在では、多くのプロゴルファーにも愛用され、スパイクレスシューズ部門を牽引している。

足に疲れを感じることなく、かつ腰やひざへの負担も軽減される。これは足のことをとことん研究し、その上で最高の履き心地を追求するエコーだからこそ実現できたということだ。

一気通貫で込められる哲学と技術革新

素材調達から販売まで一気通貫のシューズ作りがエコーの本質(撮影:角田慎太郎)

「Craftsmanship(クラフトマンシップ)=ものづくりへのこだわり」と「Innovation(イノベーション)=技術革新」。靴づくりには、これら両方が欠かせないと創業者カール・ツースビーは唱えている。その哲学は「天然皮革」と「フルイドフォルム」などによって表現されている。

エコーのシューズ作りは一気通貫で行われており、製作に携わっている一人一人がプライドを持って作っている。最高の技術と、こだわり抜いた素材、そして丹精込められたモノづくりによって、「最高の履き心地」を感じられるシューズが完成しているというわけだ。

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