ゴルフプライド特集
2023/06/26

「全米オープン」で経験値アップ 永野竜太郎のグリップのこだわりには超ベテランの助言も

連載:世界が選んだグリップ
永野竜太郎プロのグリップへのこだわりとは(撮影:角田慎太郎)

今年6月、海外メジャーの中で最も過酷といわれる「全米オープン」に初出場し、日本勢最高の20位で締めくくった永野竜太郎。試合の結果よりも現場から何を感じ取り、国内ツアーでどう生かすかが勝負だと語っていたが、今後の戦いぶりを見ればその成果がわかるだろう。

その永野が昨年からグリップを太めのタイプに替えたことをご存じだろうか。握ったときに指が余らず、よりクラブとの密着度が上がったという。「ゴルフプライド」を長年愛用する永野だが、グリップに対してどのようなこだわりを持っているのか。

■身体とクラブの唯一の接点

グリップはミッドサイズを愛用(撮影:角田慎太郎)

昨年の「ゴルフパートナーPRO‐AMAトーナメント」でのことだ。練習日に同組でラウンドしていた伊澤利光から思いがけないひと言が永野に放たれた。「グリップの太さと手の大きさが合ってないように感じるけど、もう少し太いグリップに替えてみたらどう?」

ツアー通算16勝を挙げ、2度の賞金王に輝いたベテランの言葉は重い。ゴルファーにとってグリップは自分とクラブとの唯一の接点であり、それを重視するプロも少なくない。伊澤もそのことを重々承知の上で永野にアドバイスをするということは、気になる部分があったのだろう。実際、永野自身も細いグリップに対する違和感が少なからずあった。

「以前は太いグリップを使っていましたが、いろんなタイプのグリップを試していくうちに、細めのグリップも悪くないなと。それでしばらく使っていたんですが、やっぱり太いグリップの方が合っているのかな、という思いもあって…」

グローブサイズでいえば25センチと比較的手が大きな永野が細いグリップを使うとどうしても指は余っていた。そこがいまひとつ、フィーリングの面でしっくりこなかったのかもしれない。伊澤の助言が永野の背中を押し、グリップを太くするきっかけとなったのだ。

■太くすると同時にコード入りに変更

ウッドだけでなくアイアンも同タイプのグリップで統一している(撮影:角田慎太郎)

永野がジュニア時代から愛用しているのが、ゴルフプライドのグリップだ。もっとも、当時はそれほどグリップメーカーが多くはなく、ゴルフクラブに純正として装着されていたグリップが同社のものだった。

「当時からコード入り(糸が練りこまれたタイプ)のグリップも流行っていましたが、自分は手が痛かったので軟らかいラバー製のグリップを使っていました」。プロ転向後も好みは変わらなかったが、昨年になって、グリップを太くすると同時にコード入りに替えたというから驚きだ。

「フィーリングですね。ラバーだと軟らか過ぎると感じるようになったんです。試しにコード入りにしてみたら握りやすいなと」。人間が持つ手の感覚は常に安定しているわけではない。季節によって汗をかく量も変われば、手の厚みも変わる。それこそ体調に左右されることも。軟らかいグリップが好きだった永野がコード入りのグリップを選択したのは、知らないうちに手の感覚が以前と変わったからかもしれない。

永野がチョイスしたのは、クラブ契約するピンのオリジナルとなるゴルフプライドの「360 ライト ツアーベルベット ラウンド フルコード」で62グラムのものだ。ピンのサービスカーへ足を運んだ際、最も太いのがこのグリップだった。シャフトにテープを3~4枚巻いてから、同タイプのミッドサイズをドライバーからウェッジまで全てのクラブに挿している。

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