大里桃子の復活Vを決定づけた変化とこだわり
本来のティショットを取り戻し飛距離が回復
迎えた今季、本来のティショットを完全に取り戻した。ドライビングディスタンスは234.53ydから244.00ydと約10yd、フェアウェイキープ率は55.3%から65.2%と約10%、昨季よりも向上している。(※10月15日時点)
「昨年予選落ちを経験した大会のコースに来ると、前回は(フェアウェイを外して)あそこから2打目を打ったなと思い出すこともあって、今年は(フェアウェイをとらえて)ここからなら簡単だなと思えました。昨年の『サントリーレディス』なんて、何度も隣のホールから打ちましたから」
クラブを替え、球筋を変え、さらにはこれまでほとんどやってこなかった試合前のウオーミングアップを取り入れたことなど、すべてがいい方向に結びついた。
「三菱しか合わない」と言われ、ほれ込んだシャフト
一方で、不振の間も替えることがなかったのはドライバーに挿さった三菱ケミカルの「ディアマナWS」だった。
「私はシャフトを替えたくないタイプなので、その前の『クロカゲ』シリーズをずっと使っていました」
大里が使用するのはプロからの信頼も厚い“三菱の元調子”モデル。これはジュニアの頃から変わっていない。
「学生時代に初めてブリヂストンのドライバーを提供いただいた時、フィッティングも受けました。その時に担当フィッターの方から『あなたは三菱のシャフトしか合いませんよ』とサラッと言われたんです。元調子のラインアップが豊富な三菱ということで、元調子が合うよという意味だったかもしれないんですけど、そこでこれしかないんだと思いました(笑)」
現在のセッティングは、ドライバー、3W、5Wとすべて「ディアマナWS」の60g台フレックスSを使用。冗談交じりの言葉の裏に絶対の信頼がうかがえる。
シーズンオフには後継モデルもテスト
三菱からはすでに後継モデルの「ディアマナWB」が発売されており「まだほとんど打っていないんですけど、これもマットなデザインでかっこいいですよね」
これからシーズン終盤戦を迎えるということもあり、早急にシャフトを替えることはできないが、オフにはテストをしていく予定だと話す。
今季は「サントリーレディス」で優勝した資格で、初の海外メジャーとなる「AIG女子オープン(全英女子)」にも出場。最終日にはベストスコアの「67」を叩き出し、22位タイでフィニッシュした。
「(会場となった)セントアンドリュースは街の中にコースがあって、全体がテーマパークや遊園地みたいでした。またメジャーに行きたいです」
次に見る景色も三菱のシャフトを手に、歩んでいく。
撮影協力:ラ・ヴィスタゴルフリゾート(アコーディア・ゴルフ)