新製品レポート

単にカッコいいだけじゃない 売れる理由が分かったぞ!テーラーメイド「BRNR MINI ドライバー」

2023/08/14 07:00
1990年代のブランドロゴやクラシカルなデザインを採用した「BRNR MINI ドライバー」

6月に発売された「BRNR MINI ドライバー」は、ヘッド体積304ccのミニドライバーとしては異例の大ヒットを記録しているという。一般的な460ccのモデルと比べて、どのような利点があるのだろうか? その性能や魅力についてギアの知識が豊富なミタさんがわかりやすく解説。さらに、ベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)と、アスリートゴルファーのヨシダくん(HS50m/s)の2人に試打してもらった。

クラブの特徴は?

同社の“ミニドラ”としては初の、重心位置を調整できるウエイトを搭載。13gと1.5gのウエイトは入れ替え可能

【ミタさん】
今回紹介するのはテーラーメイドの新しい“ミニドラ”「BRNR MINI」(バーナーミニ)です。

【シオさん】
小さめヘッドということは、上級者向けですか?

【ミタさん】
304ccのヘッドサイズに合わせて短尺になっており、3番ウッドとほぼ同じ長さです。ロフト角も11.5度と13.5度が用意されているので、決して難しいモデルではありません

【ヨシダくん】
なぜ小さめヘッドのドライバーを作ったのか、気になりますね

過去に「SIM2」や「ステルス プラス」のフェアウェイウッドに搭載されたチタン製ツイストフェース

【ミタさん】
460ccというヘッド体積のモデルに対して、一部のゴルファーからは『ヘッドが大きいと振りにくい』という意見が出ています。現代のドライバーは高慣性モーメント設計になっているものの、重心距離が長くなったことで小回りが利かないものが多い。そこで同社は、昔ながらのヘッドサイズで操作性に優れたモデルを開発したのでしょう。

【ヨシダくん】
たしかに最近のドライバーは寛容性が高いですが、昔の小さめヘッドの方がドローやフェードを打ち分けやすかった印象です

【ミタさん】
昔のヘッドを再現するのではなく、最先端のテクノロジーを使って304ccのドライバーを新たに開発しています。ソールには2つの丸いウエイトが搭載されており、入れ替えることで重心位置の調整ができます。また、ツイストフェースやソールの貫通型スピードポケットなどの技術により、寛容性も飛距離性能も格段に進化しています

【ヨシダくん】
ロゴマークなどのクラシカルなデザインも気に入りました。さっそく打ってみましょう!

試打した印象は?

小ぶりでスッキリした形状。ブラックのクラウンは光が当たると銅色に輝いて見えるとのこと

【シオさん】
構えてみると、一般的なドライバーよりも短いので難しそうな雰囲気はありません。コンパクトなヘッドで、引き締まった顔をしています。

【ミタさん】
昔からゴルフをしているベテランゴルファーには違和感のない形状だと思います。460ccに慣れている人は、ドライバーというよりも3番ウッドのように感じるかもしれませんね

【シオさん】
打ってみると打感がすごくいいです。昔のメタルヘッドのような食いつき感のある打感で、懐かしさを感じました。

【ミタさん】
フェースに高反発のチタン素材を採用しているため、高初速で飛ばせます。飛距離も240yd出ているので、大きめヘッドと比べても飛距離差はあまりなさそうですね

【シオさん】
短尺なのでインパクトのタイミングが合わせやすいです。普通のドライバーよりも打点が安定していてミート率が上がったように感じました

シオさんとヨシダくんの「BRNR MINI ドライバー」(11.5度)試打データ

【ヨシダくん】
たしかに打感がすごくいいし、球が曲がりそうな感じはありません。フェアウェイが狭いホールのティショットでも使えそうだし、風が強いときなど低い球も打ちやすそうですね

【ミタさん】
今持っている1Wはそのままに、セカンドドライバーとして使うのもアリだと思います。実際にPGAツアーでは、トミー・フリートウッドが3番ウッドを抜いて13.5度の今作を投入し、ドライバー2本体制で戦っています。

【ヨシダくん】
一般的なモデルと比べると慣性モーメントは小さいのでミスすると曲がってしまいますが、曲がり幅は小さいように感じました。ある程度の技量を持ったゴルファーであれば、打点が安定するためミスヒットの回数が減りそうです。結果的に460ccのヘッドより、直進性が高いと感じる人も多いと思います。

【ミタさん】
飛距離も280ydを超えていて、スピン量も2200回転前後で、理想的な数字ですね。

【ヨシダくん】
チタン製の小さめヘッドだと、ヘッドスピードが上がる感覚がありました。軽快に振り切れるので、打っていて気持ちよかったです

まとめ

見た目も打感も高評価。大型ヘッドで曲がり幅が大きい人やスライサーは試してみる価値アリ

【ミタさん】
BRNR MINI ドライバー」は上級者だけではなく、幅広い層のゴルファーが使える“ミニドラ”です。大型ヘッドが苦手な人は打点が安定し、一般的なドライバーよりも飛距離が伸びる可能性があります。また、中・上級者は3番ウッドの代わりに入れると、ロングホールの2打目など直ドラする場面で活躍してくれそうです。1990年代後半から2000年代前半に多かったヘッドサイズなので、その時代からゴルフをやっている人には懐かしく、構えやすいと思います。

【シオさん】
1990年代のクラブを思い出すようなデザインに令和のテクノロジーが融合していてカッコいいです!

■ 試打したクラブのスペック

テーラーメイド BRNR MINI ドライバー
●ロフト角:11.5度 ●シャフト:PROFORCE 65 M40X JP SPEC ●硬さ:S

テーラーメイド BRNR MINI ドライバー

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ ヨシダくん プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

テーラーメイド
レトロな美学と現代テクノロジーの融合
発売日:2023/06/23 参考価格: 71,500円