新製品レポート

僕らのビッグバーサが進化して帰ってきた「BIG BERTHAドライバー」(2023年)

2023/10/23 07:00

「BIG BERTHA」(ビッグバーサ)と言えば1990年代に世界中で大ヒットしたキャロウェイの看板シリーズ。2014年に約20年ぶりに復活した後、2020年にはスライサーに向けた性能を搭載したドライバーが登場した。3年振りのリニューアルとなる新「BIG BERTHAドライバー」の特徴をギアマニアのミタさんが解説。さらに、アスリートゴルファーのヨシダくん(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)が試打をして、その性能を評価する。

クラブの特徴は?

2023年モデル(左)と2020年モデルの前作(右)。今作では「パラダイム」シリーズに採用された最新技術を搭載している

【ミタさん】
今回紹介するのは、長年ゴルフをやっている人には懐かしい「BIG BERTHAドライバー」です。

【シオさん】
年齢が私と同じくらいの世代は、“キャロウェイと言えば「BIG BERTHA」”というイメージを持っている人が多いと思います。

【ヨシダくん】
現在はツアープロが使用し、世界中でヒットしている「パラダイム」シリーズが主役ですよね。新しい「BIG BERTHA」はどういう位置付けなのでしょうか?

【ミタさん】
「パラダイム」シリーズのドライバーは6モデルあり、幅広い層をカバーしています。それに対して、新「BIG BERTHA」のドライバーはスライサーに特化した1機種のみ。約6gのウエートをヒール側に配置したドローバイアス設計で、先端が走る純正シャフトが装着されており、つかまりの良いモデルです。

【ヨシダくん】
価格を比較すると、「パラダイム」のスタンダードモデルと比べて、2万円ほど安いですよね。最新技術はきちんと搭載されているのでしょうか?

新「BIG BERTHA」専用のX字型ジェイルブレイク・テクノロジーを搭載

【ミタさん】
もちろんです。「パラダイム」シリーズ1Wのヘッド内部に設置されているY字型のジェイルブレイクテクノロジーを元にAIが専用設計したX字型を採用。フェースはAIフラッシュフェースで、クラウンには軽量のトライアクシャル・カーボンを使用しています。

【ヨシダくん】
ちなみに「パラダイム」シリーズ1Wにもつかまりが良い「X」のモデルがありましたが、どのような違いがありますか?

【ミタさん】
確実に「BIG BERTHA」の方が、つかまり具合が大きいです。「X」が軽度のスライサー向けだとしたら、今作は重度のスライサー用といったところでしょうか。

【シオさん】
ここまでスライサーに特化したドライバーって、海外メーカーでは珍しいですよね

【ヨシダさん】
よし、では今日も忖度なしで打っていきましょう!

試打した印象は?

構えると、ヘッドは三角形に近い形状。フェースアングルはほぼスクエアだ

【シオさん】
構えてみると、三角形のようなヘッド形状が少し気になります。でも、意外と構えやすく、昔のテーラーメイド「バーナー ドライバー」に似ている気がします

【ミタさん】
弾道はどうですか?

【シオさん】
何球打っても、きちんとつかまった弾道が打てました。スクエアにインパクトしたはずの打球がまっすぐ飛び出て、途中からドロー回転がかかって左に行きます。普段は振り遅れるとプッシュスライスが出ますが、このドライバーだと振り遅れてもほぼストレート弾道で収まりました。スライサーが使うと、ドライバーのミスが激減しそうです。

シオさんとヨシダくんの「BIG BERTHA ドライバー」(ロフト角10.5度)試打データ

【ミタさん】
試打データを見てみると、240yd以上飛んでいますね

【シオさん】
飛距離性能は「パラダイム」シリーズと互角で、つかまりをMAXにした感じでした。

打点のバラツキに強く、スライスに悩むゴルファーの武器になりそうなクラブ形状

【ヨシダくん】
僕が打っても280yd以上飛んでいたので、飛距離性能は十分だと思います。ただ、ドローバイアス設計になっているので、常にサイドスピンは左に500回転以上入っていました。言い換えれば、スライス回転がかかってしまう人にとってはサイドスピンが減るので、曲がり幅が狭くなると思います。

【ミタさん】
打感はどうでしたか?

【ヨシダくん】
打感はすごく良いです。ちょっと食いつき感があって柔らかいので、日本人が好きそうなフィーリングだと思います。そして、ミスヒットに強い! わざとスライス系の打球を打とうとヒールに当てましたが、ほとんど曲がらなかったです

シオさんの弾道をふたりでチェック。安定してつかまった弾道が打てると感心していた

【ミタさん】
シオさんも弾道が安定していましたね。

【シオさん】
前作と打ち比べてみると、弾道の違いがよりはっきりしました。ドローヒッターの私が打つと、前作はつかまり過ぎてOBになりそうなくらい左に曲がっていましたが、今作ではつかまっても左のラフでおさまってくれそうな弾道でした。

【ヨシダくん】
たしかに、僕のヘッドスピード(HS50m/s)でもつかまって左に飛ぶというよりは、つかまりの良いストレートボールが打てるという印象です。

まとめ

スライスを打とうとしてもストレート弾道になるほどつかまりが良い。飛距離性能にも優れており、初心者にピッタリ

【ミタさん】
一般的に国産メーカーのスライサー向け1Wは、シニア世代も使えるような軽量のモデルが多い印象です。しかし、新「BIG BERTHA ドライバー」はクラブ総重量がフレックスSで約300gあり、デザインもカッコいいので、若い世代のスライサーにピッタリだと思います。打点のバラツキに強く飛距離も期待できるので、初心者でスライスに悩んでいる方はぜひ試して欲しいです。

【シオさん】
90年代に初めて「GREAT BIG BERTHA ドライバー」を打ったときは、寛容性の高さに感動した記憶があります。今作も当時感じたようなやさしさを備えているなと感じました

■ 試打したクラブのスペック

キャロウェイ BIG BERTHA ドライバー
●ロフト角:10.5度 ●シャフト:SPEEDER NX for Callaway ●硬さ:S

キャロウェイ BIG BERTHA ドライバー

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ ヨシダくん プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

キャロウェイ
発売日:2023/07/14 参考価格: 75,900円