新製品レポート

こりゃ飛ぶわ…パー3でライバルをギャフンと言わせたいなら「ゼクシオ 13 アイアン」

2023/11/20 07:00
低重心設計により高弾道で飛ばせるという「ゼクシオ 13 アイアン」の性能を調査

11月9日に発表された13代目の「ゼクシオ」シリーズ。アイアンでも “やさしさ・飛距離・打感”が高く評価されて、20年近く国内No.1シェアを続けてきた。今回の「ゼクシオ 13 アイアン」はどのような特徴になっているのだろうか? テクノロジーが詰まったヘッド性能については、ギアの知識が豊富なクラフトマン・ミタさんが分析。そして、アスリートゴルファーのヨシダくん(HS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(HS40m/s)には試打した評価を語ってもらった。

クラブの特徴は?

13代目(左)と12代目(右)。新作はゴールドを取り入れた高級感のあるデザイン

【ミタさん】
今回紹介するのは「ゼクシオ 13 アイアン」です。ドライバー同様に、常にトップクラスの売り上げを記録してきた超ロングセラーモデルです。

【シオさん】
12代目もシックな印象でしたが、13代目も「ゼクシオ」らしい高級感のあるデザインですね。

【ヨシダくん】
高そうな雰囲気はあるけれど、なぜこんなに人気があるのですか?

【ミタさん】
「ゼクシオ」シリーズのアイアンは、代々フェースにチタンを採用しています。一般的なアイアンは軟鉄やマレージング鋼を使用していますが、軟鉄と比べて硬度が高いチタンでフェースを作ることで肉厚を薄くすることができ、反発性能の高さと芯の広さを実現しているため、愛用者が多い印象です。

高強度のチタンフェースを搭載した4ピース構造。トウ側に高比重ウエートを配置し低重心化を実現

【シオさん】
フェース以外はどのような構造になっているんですか?

【ミタさん】
ヘッドは4ピース構造でチタンフェース、フレーム、ステンレスボディ、バックフェースを合体させています。さらにボディ内部に高比重のタングステンニッケルウエートを搭載することで、重心を低く設定しています。

【ヨシダくん】
一見、“普通のアイアンと何が違うの?”という印象ですが、内部がスゴいんですね

軽量で薄肉のチタンフェースが高初速を生み出すという。打感はいかに?

【ミタさん】
ヘッド内部に軟らかい部分と硬い部分を交互に配置する「リバウンドフレーム構造」を前作から継承し、ボディ全体のたわみが大きくなっています。

【シオさん】
「スリクソン ZX」シリーズで高い評価を得たヘッド構造ですね。

【ヨシダくん】
最近のスリクソンはアイアンの出来がすごくイイので、そのテクノロジーが反映されているのは興味深い。でも、チタンフェースの打感が気になります。ちょっと硬そう…

【ミタさん】
ぜひ試打して打感を確かめてみてください。

試打した印象は?

ヘッドサイズは大きめで厚みもあり、やさしく打てそうな雰囲気

【シオさん】
まず、構えた瞬間にやさしさを感じます。トップラインも丸みがあり、少しグースネックになっているので、つかまりそうなイメージが沸きますね。ヘッドサイズも安心感があって、このアイアンは簡単そうだなと視覚的に感じるので、打つ前のプレッシャーがありません。

【ミタさん】
実際に打った印象はどうですか?

【シオさん】
見た目通り、やさしかったです。頑張って上げようとせずとも球が高く上がってくれて、飛距離も160ydくらい出ていました。ライナー系の弾道ではなく高弾道で飛んでくれるので、グリーンでしっかり止まってくれるイメージが出せます。シャフトも軽量だけどクセがなくて振りやすい。7割くらいの力で振っても十分に飛んでくれました。

シオさんとヨシダくんの「ゼクシオ 13 アイアン」(7番28度)試打データ

【ミタさん】
打感はどうでしたか?

【シオさん】
弾き感はあるけど、決して硬い感じではなくてマイルドな打感です。打点がズレても打感が変わらないのがすごい! 爽快感もあって、「ゼクシオ」らしい心地良いフィーリングでした。

【ヨシダくん】
チタンから連想されるような硬さはありませんし、想像よりもかなり柔らかい! しっかりボールをつぶせるので飛距離性能が高いですね。

【ミタさん】
ヨシダくんは7番アイアンで200yd近く飛びましたね!

ハードヒッターのヨシダくんは直進性の高さに驚いていた

【ヨシダくん】
正直、僕にとっては飛びすぎてしまうのでタテ距離をコントロールすることが難しかったです。普段マッスルバックを使っているので、アイアンセットとして使うのは難しいですが、5番アイアンだけをロングアイアンの代わりに入れるのはアリですね。

【ミタさん】
方向性は安定していましたね。

【ヨシダくん】
打点が左右にズレても弾道はほとんど曲がらないので、何球打っても真っすぐでした。ドロー、フェードを打ち分けたいタイプではなく、オートマチックにストレートボールを打ちたい人向けのアイアンです。

まとめ

芯を外した当たりでも弾道が安定していて、高弾道で飛ばせる。ダフリにも強いので初心者にもおすすめ

【ミタさん】
ドライバー同様にアイアンも「ゼクシオ13」は“やさしく、高弾道で飛ばせる”モデルでしたね。ヨシダくんのようにヘッドスピード45m/s以上のゴルファーには飛びすぎてしまいますが、ヘッドスピード35~42m/sまでのゴルファーにとっては振りやすく、安定したショットが打てるアイアンです。球が上がらない人はもちろん、ソール幅が広いのでダフリのミスに悩んでいる初心者にもおすすめです。

【シオさん】
初心者が直面する問題を解決してくれるアイアンだと思います。アイアンの飛距離不足や高さに悩むシニアゴルファーに試してもらいたいです。

■ 試打したクラブのスペック

ダンロップ ゼクシオ 13 アイアン
●番手(ロフト角):7番(28度) ●シャフト:NSプロ 850GH DST for XXIO ●硬さ:S

ダンロップ ゼクシオ 13 アイアン

■ ミタさん プロフィール

1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。

■ ヨシダくん プロフィール

1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。

■ シオさん プロフィール

1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。

ダンロップ
発売日:2023/12/09 参考価格: 148,500円