「(03+05)÷2=04」的な タテ距離揃う飛び系 プロギア「04」アイアン
プロギアのフラッグシップアイアン「PRGR IRONs(プロギアアイアンズ)」。2020年誕生の同シリーズは、これまで「00」「01」「02」「03」「05」を発売してきた。そしてことし、満を持して「04」が誕生。その打感、弾道、特徴をアスリートゴルファーのコウタロウ(ドライバーでHS50m/s)とベテランゴルファーのシオさん(同HS40m/s)がチェック。詳しい性能はギア知識が豊富なミタさんが解説する。
「03」と「05」を足して2で割ったのが「04」
【ミタさん】
ことしのプロギアは攻めますね。ドライバーで3モデルを発売したかと思えば、アイアンでもついに「04」を発表しました。
【コウタロウ】
「04」!?ちょっと待って、これまでの「01」や「02」はどんなアイアンでしたっけ?
【ミタさん】
簡単に説明すると「01」はアスリートモデル、「02」はセミアスリート。そして「03」はストロングロフトの飛び系で、「05」はやさしさ重視のワイドソール。「00」は数量限定のカスタム専用モデルです。
【シオさん】
「05」はよく覚えています。私ぐらいのヘッドスピードにピッタリで、超低重心で球が上がりやすかった。
【コウタロウ】
僕は「03」が印象的でした。決してヘッドは大きくないのに飛距離がヤバかったです。
【ミタさん】
「03」はロングセラーになりましたね。
【シオさん】
今回の「04」はどういう特徴ですか?
【ミタさん】
わかりやすく言うと「03」と「05」を足して2で割ったようなアイアンです。
【シオさん】
でも、形状は「05」とはかなり違いますよね。ワイドソールではないし、キャビティ部分も全然違う。
【ミタさん】
ヘッドサイズはそれほど大きくしないで、バックフェースにオーバルキャビティデザインを採用しています。卵のようなオーバル形状によって、重量配分を最適化したことで慣性モーメントを高くしています。
【コウタロウ】
ロフトは何度ですか? 「03」の7番アイアンは26度ですが。
【ミタさん】
「04」の7番は28度です。決して超ストロングロフトにはなっていません。でも低重心・深重心設計にした上で、重心をセンターに近づけて打点と重心点を一致させています。それが飛距離アップにつながりました。
【コウタロウ】
「03」と「05」のイイとこ取りか。そんな上手い話ありますか?
【シオさん】
とりあえず打ってみましょう。
飛距離性能は想像以上。UT代わりにも使える!
【シオさん】
まずは「05」がお気に入りだった私から打たせてもらいます。ヘッドサイズはセミラージくらいで、トップラインは厚みがありながらもとても綺麗。アベレージゴルファーには安心感がある顔だと思います。
【ミタさん】
打った印象はどうでしたか?
【シオさん】
打感は弾き系。ただ、私は飛んでくれる感じがするので、この打感は嫌いじゃない。実際に想像以上の飛距離で、キャリーで170ヤード近く飛びましたね。しかも、ミスヒットに強いから少し打点がズレたときでも飛距離が変わらない。飛び系なのにタテ距離が安定する感じがしました。
【ミタさん】
カーボンシャフトにしたら、どうでしたか?
【シオさん】
振り感はスチールシャフトとそんなに変わりません。でも、インパクトゾーンでスピードが出せる感じがありました。スチールシャフトで打ったときより、打感は食いつく感じですね。
【ミタさん】
コウタロウはどうでしたか?
【コウタロウ】
まず打感が独特です。パチンではなくて、パッチン!弾きながらも、瞬間的にモチっと食いつく感じが手に残る。
【ミタさん】
コウタロウは7番で200ヤードを超えていましたね。
【コウタロウ】
私のヘッドスピードでダウンブローに打ち込むと、ロフトが立ってしまったので、ユーティリティのような中弾道のロースピン系の球筋になってしまう。高さが出なくて、ちょっと飛びすぎました。この飛距離と球筋は初期の頃の「エッグアイアン」に近い印象です。
【ミタさん】
コウタロウのようなヘッドスピードが速いタイプだと、このアイアンを使うのは難しそうですか?
【コウタロウ】
アイアンセットとして使うのはどうでしょう。ただ、200ヤードは自分の4番アイアンの距離。そう考えると4番アイアンの代わりに、「04」の7番アイアンを入れたほうが圧倒的にスコアメイクをしやすい。
【ミタさん】
あの弾道でグリーンに止まりますか?
【コウタロウ】
そもそも自分の4番アイアンでもグリーンに止めることは難しいので、それなら楽にグリーン近くまで飛んでくれる「04」のほうがいいですね。
【ミタさん】
そのセッティングはアリですね。
【ミタさん】
「04」アイアンは(ドライバーで)ヘッドスピード40m/s前後のアベレージゴルファーと相性が良い飛び系アイアンです。飛び系でありながら、慣性モーメントを高くしているのでミスヒットにも強いです。そして、アスリートゴルファーにとってはユーティリティ代わりのお助けアイアンとしても使えます。フェースはニッケルクロムモリブデン鋼ですが、ボディは軟鉄なので弾き感の中にも柔らかさがあります。
【コウタロウ】
ツアープロでも1本だけ「04」を入れる選手が出てくるかも!? ベリーイージーなアイアンでした。
まとめ
■ 試打したクラブのスペック
プロギア 04
●番手(7I):28度●シャフト:スペックスチールIII ver.2、MCI FOR PRGR/●硬さ:共にS(M-43)
■ マイクラブ情報
コウタロウ:ピン ブループリント アイアン
●番手(ロフト角):7番(34度) ●シャフト:KBS Cテーパー 125 ●硬さ:S+
シオさん:タイトリスト T300 アイアン<2021年>
●番手(ロフト角):7番(29度) ●シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー 105 ●硬さ:S
■ ミタさん プロフィール
1978年生まれ。かつてのサッカー少年が父の影響でゴルフを始めたのは高校生のとき。2014年にゴルフテックに入社し、レッスンコーチ兼クラブフィッターとして活躍した。現在はギア知識を活かして、コンテンツの企画を担当。洋服や車など好きな「モノ」への探求心が人一倍強く、作り手の素材や製法へのこだわりが大好物。デニムやスニーカーへの知識も豊富。
■ コウタロウ プロフィール
1985年生まれ。「日本一の漫才師」を夢見た幼少期を経て、学生時代はゴルフに没頭。日本アマなどに出場した。日本プロゴルフ協会(PGA)ティーチングライセンスを取得した2012年にゴルフテックに入社。長年、レッスンコーチを務めていたが、現在はコンテンツに出たり、作ったりしている。ヘッドスピードは50m/s前後。持ち球はフェード。最近は四十肩との付き合い方を模索中。
■ シオさん プロフィール
1967年生まれ。GDOでは古参の編集部員。若い頃は小ぶりヘッドのドライバーとマッスルバックのアイアンを愛用していたが、近年ではミスに強く、飛ばせるギアを好んで使用している。ヘッドスピードは40m/s前後。ミドルアイアンでグリーンに止まる球が打てないことが最近の悩み。持ち球は低めのドロー。平均スコアは80くらい。