クラブ試打 三者三様

キャスコUFOを筒康博が試打「コースで助かる1本」

2020/01/16 05:00

キャスコ「UFO by パワートルネード」の評価は!?

ドライバーとウェッジの間をすべてカバーできるユーティリティ「UFO by パワートルネード」をピックアップ。フェアウェイウッド相当のロフト角15度(♯33)から、ショートアイアン相当の38度(♯99)まで、すべてがウッド型UTとなっている革新的クラブを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?

まさに未確認飛行物体! いままで見たことない

―率直な印象は?
「『UFO』というネーミングから、固定観念にとらわれない革新的なクラブではないか?という予想はたてていたのですが、実際打ってみて、その予想が的中しました。確かにいままでにないカテゴリーのクラブだったので、『UFO』という名称に納得しました」

UFO3体発見! 左から♯33、♯55、♯77

―前モデルとどこが違う?
「以前の『パワートルネード』は少しクラブの長さがあったのですが、今回はアイアンからの流れで、7番アイアンの代わりに使える『♯77』という番手があります。またフェアウェイウッドが苦手という人には、やや短尺で同様ロフト角の『♯33』という番手がある。短い番手から長い番手まで扱いやすくしている点がこれまでのシリーズと異なります」

高評価のポイントに扱いやすさを挙げる筒

―どの点が扱いやすい?
「アドレスした状態で、前方(フェース側)を見るとアイアン、後方を見るとフェアウェイウッドに見える。アイアンのように打ち込んでも、ウッドのようにしゃくり打っても大丈夫。ボール位置は右寄りでも左寄りでも真ん中でもOK。そういう意味で考えますと、本当の万能型クラブといえると思います」

♯77はかなり小ぶりに設計されている

―ヘッド形状は?
「形自体は独創的ですが、緻密な設計をしっかり考慮しているのが分かります。外周の重量は、この大きさのヘッド体積だからこそ作用している。ユーティリティという小さめの体積だからこそ、外周に重量を持ってきて寛容性が出せる。もう少し大きいフェアウェイウッドやドライバーで同じことをやろうとしても、逆に重くなって振りにくくなってしまうので…」

ソールによる抜けの良さで、ミスをミスにさせない

―ヘッド性能は高い?
「はい。重量配分も考えられていますが、ソール形状の妙で抜けの良さも担保しています。打ち込んでも、払うように打っても、ヘッドが鋭角に下りてくる。どのような打ち方をしてもダウンブロー気味に入ってくれる感じがあるのです。ミスショットでトップしても、球を上げてキャリーを出してくれるので、グリーンをキャッチしてくれます」

「ヘッドの前方と後方で見え方が違う」と筒。画像は♯33

―どのような人向き?
「とにかくユーティリティの打ち方が分からなくなった人やロングアイアンが苦手な人。フェアウェイウッドを地面から打つと、ダフリやトップが出やすい人。そのようなユーザーに使ってほしい“2打目専用のクラブ”として、1本でも入れておくと良いと思います」

寛容性◎の高得点【総合評価4.3点】

試打結果は♯77、♯55、♯33(計3本)の平均値

【飛距離】3.5
【打 感】4.5
【寛容性】5.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・使用クラブ:♯77(ロフト角:30度)、♯55(22度)、♯33(15度)
・使用シャフト:「Falcon shaft」/硬さS
・使用ボール:ロッテ葛西ゴルフの専用レンジボール(ツーピース)

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ロッテ葛西ゴルフ

■ 筒 康博 プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

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