クラブ試打 三者三様

ゼクシオ イレブン アイアンを筒康博が試打「キャリーきっちりクラブ」

2020/03/05 05:00

ダンロップ「ゼクシオ イレブン アイアン」の評価は!?

ゼクシオシリーズ11代目となる「ゼクシオ イレブン アイアン(以下イレブン)」をピックアップ。新開発された「TWIN GROOVE(ツイングルーブ)」と呼ばれる、従来の約2倍の深さとなったヘッド内部の溝によって反発性能を高めたとのことだが、果たしてその評価は…!? 「ゼクシオ エックス アイアン(以下エックス)」と比べつつ、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?

「11代目の進化は、ズバリ打感です」

―率直な印象は?
「前作と比べて一番変わった点は、チタンフェースとステンレスボディとの一体感です。どちらの素材が、どちらのパーツか分からなくなるくらい、ひとつのヘッドとしての完成度が高いと思いました。手に伝わるインパクト時の振動の伝わり方が秀逸になったと思います」

―打感が秀逸…?
「はい。フェースは弾いているものの、過去の『ゼクシオ』シリーズの中で一番やわらかいと思えるくらい、ボールの食いつきが感じられました。打感は非常に素晴らしいと思います」

「さすが王道アイアン」と賞賛する筒

―飛距離性能は?
「現在、飛び系アイアンがたくさん発売されていて、『ゼクシオ』はそれほど“飛ぶ”というポジションではないのですが、フェース面のどこに当たったとしても、ボールが真っすぐ高く上がりやすいです。そういう点が王道というか、スタンダードというか。クラブ購入で悩んでいたら、まずはこれを試打してみるべき、と改めて思わせてくれるモデルでした」

―飛び系ではない…?
「はい。ぶっ飛ぶというよりは、キャリーをきっちり出せるモデルという特徴だと思います。タイトリスト『T300 アイアン』のような、スコアメイクをするために作られたクラブという印象。飛び系とは別カテゴリーのモデル、と考えたほうが良いと思います」

左が「イレブン」右が「エックス」。見た目の大きさは意外に差がない

―「エックス」と比べてどう?
「『エックス』は多分ユーザーの皆さんも、ゴルフショップの店員さんも、一体どの立ち位置のクラブなんだろう? と悩んでいる人が多いと思うのです。『ゼクシオ』は使いたくないけれど、他にやさしいアイアンはないし…という時に、新たなスタンダードモデルになり得るアイアンだと思います。そのあたりは共通点があるようで、ジャンルは異なるモデルなのかと思いました」

右「エックス」と比べるとソール幅はかなり広い

―どのような人向き?
「やさしい系のモデルでは、デザインやサイズ感で少し構えにくかったり、クセがあったりすることが多いのですが、『イレブン』も『エックス』もそれをまったく感じませんでした。『エックス』はフォージド製で打感の良さは申し分ないですが、ステンレス製の『イレブン』も同じく打感の良さから、初級者だけでなく中級者や上級者でも使えるモデルに仕上がっていると思います。まぁ、シャフトをややハードにカスタムする必要はあると思いますが…」

打感と寛容性で満点! 【総合評価4.5点】

【飛距離】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】5.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:28度(7I)
・使用シャフト:ゼクシオ MP1100 カーボン/硬さS
・使用ボール:ロッテ葛西ゴルフの専用レンジボール(ツーピース)

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ロッテ葛西ゴルフ

■ 筒 康博 プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

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ダンロップ
発売日:2019/12/07 参考価格: 132,000円