クラブ試打 三者三様

ゼクシオ エックス アイアンを筒康博が試打「イマドキの優等生」

2020/03/12 05:00

ダンロップ「ゼクシオ エックス アイアン」の評価は!?

ゼクシオ イレブン アイアン(以下イレブン)」とともにシリーズ11代目として登場した「ゼクシオ エックス アイアン(以下エックス)」をピックアップ。「SPEED GROOVE FACE」と呼ばれる、バックフェース周辺に設けた溝によってフェースがたわみやすく、飛距離性能をアップさせたという軟鉄鍛造アイアンを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?

「軟鉄鍛造のメリットを感じます」

―率直な印象は?
「フォージド(軟鉄)ならではの打感と、低くもなく高くもない中間の打音が、自分でボールを打っている感覚をしっかり伝えてくれます。結果的にミスしても、クラブではなく自分の操作ミスという理由で納得ができる。構えた時に難しさも感じず、ボテッとした印象もない。まぁ優等生的なモデルといったところでしょうか」

「純正シャフトとの相性は◎」と筒

―対抗馬となるモデルは?
「優等生のクラブって、良い意味で角が立っていないので、正直、特徴付けることが難しいです。だから対抗馬を聞かれても、すぐに思い浮かばない。ただ、結果的にそういうクラブのほうが実戦向きで、長く使えるモデルであることは事実です」

―クセがない…?
「そうですね。ヘッドもそうですが、今回使用した純正シャフト(『Miyazaki AX-1 カーボン』)もクセがなく、とても相性の良さが感じられました。カーボンか軽量スチールかで悩んでいる人には、この『エックス』では、カーボンから試すことをおすすめします。従来のイメージだと、どうしてもカーボンは軽すぎて捻れるという印象があると思うのですが、そういったことがまったくありませんでした」

左が「エックス」右が「イレブン」。形状は同じだが全体的に「エックス」のほうがやや小ぶり

―「イレブン」と比べてどう?
「『イレブン』は、軽くてしっかり弾いて飛ばすアイアン。『エックス』は、買い替えてもすぐに馴染んでくれるオールマイティなアイアン。何年か使っていたマイクラブを買い替えたい時に、最初に試したほうが良いのは『エックス』かもしれません。対象ターゲットはまったく異なる2モデルになっています」

―同じ住友ゴム工業の「スリクソン」シリーズとは違う?
「『スリクソン』は見た目の鋭さから、精悍な印象がある反面、難しいイメージを想像して敬遠している人が多いと思います。『エックス』は『スリクソン』と同じテクノロジーや精悍さを残しながら、『ゼクシオ』シリーズ独自のやさしさを取り入れています。やはりいま、難しいクラブを使いたいと思う人が確実に減っている流れから考えますと、王道の『ゼクシオ』シリーズから、こういうモデルが出るべきだったと、改めて納得してしまいます」

寛容性から操作性まで、総合的に高い評価をくだした筒

―どのような人向き?
「現在のクラブ市場を大まかに説明すると、海外ブランドのモデルが、シビアなものからやさしいものへとシフトしてきた印象があります。逆に、やさしい国産ブランドがちょっとしっかり感を持ってきたという状況。そこで国産の『ゼクシオ』が、ややアスリート向けに提案したのがこの『エックス』ではないかと。実はその両者とも同じ位置に居たりするのですが、印象がだいぶ変わりますね」

西川みさとに続き高得点… 【総合評価4.3点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:29度(7I)
・使用シャフト:Miyazaki AX-1 カーボン/硬さS
・使用ボール:ロッテ葛西ゴルフの専用レンジボール(ツーピース)

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ロッテ葛西ゴルフ

■ 筒 康博 プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

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ダンロップ
発売日:2019/12/07 参考価格: 132,000円