SIM MAX ドライバーを筒康博が試打「使用プロがズルく感じる」
テーラーメイド「SIM MAX ドライバー」の評価は!?
2月の発売以来、注目を集め続ける「SIM MAX ドライバー」。松山英樹がことしに入り数試合で投入したことで更に話題が沸騰し、ユーザーの口コミでも「曲がらない」「飛ぶ」と評判だ。果たしてその性能は本物か!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「スイートエリアの広さを感じる」
―率直な印象は?
「『SIM ドライバー(以下SIM)』と比べても、かなりスイートエリアが広い印象をもちました。見た目はまったく一緒ですので、実際に打ち比べないと分からない“違い”です。『MAX』の名の通り、確かにフェース面のどこに当たっても、球はつかまるし上がる。HSが遅くても初速は出るので、飛びも実感できるクラブだと感じました」
―見た目の印象は?
「後ろから見た時の『イナーシャ ジェネレーター』のインパクトがあって、これがスイングに悪い影響を及ぼしてしまうと思っていたのですが、そんな心配はまったく必要なし。構えた時に上からの視界には入りませんし、ハイバック(ヘッド後方に厚みがある)といっても、クラウンのトウ側に厚みの頂点を感じる形状になっていることで、ライ角がアップライトに見え、球がつかまる安心感がもてるという点でやさしさを感じることができます」
―「SIM」との違いは?
「一番の違いは、打点ズレに対する寛容性の高さです。僕のように打点が左右に散らばってしまう人には、『MAX』のほうが向いていると思わせるほど、『SIM』と比べて横の打点のズレに強いように感じます。特に1cmほどフェース面の中心より外側に、一番強い球が出るエリアがあるように感じました」
―純正シャフト(TENSEI ブルー TM50)の印象は?
「純正シャフトのしなりと軽量さが、ヘッドの存在を感じさせすぎて、HSが速い人にはヘッドが効きすぎると思う人がいるかもしれません。ただ、平均的なHS(40m/s前後)であれば、このクセのないしなり方と、フレックス以上に硬く感じない特性が、安心感をもって振っていける要素につながると思います」
―「MAX」はずばりアベレージ向け?
「これはアベレージ向けというか、そもそもカテゴリーの垣根を取っ払った新しいジャンルのモデルではないかと思います。あえてこれまでのMシリーズに当てはめるのであれば、『M6』以上のやさしいモデル。ただ、それほどやさしく見せないデザイン性とこれまでのシリーズの印象で、本性のやさしさを隠しています。そういう意味では、PGAの選手が試合で使っていることがズルいと思えてしまうほど…。やさしいヘッドであり、やさしいシャフトとの組み合わせだと思います」
―どのような人向き?
「どのようなユーザーでも、とりあえずお店に行ったら試すべきモデルかと思います。どんなHSでもどんなスイングタイプでも、まずは基準にするべきモデル。それほど網羅性があり、最新ドライバーのなかで中心的な立ち位置になり得るクラブといえます」
SIMより点数はややダウン…【総合評価4.1点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:TENSEI ブルー TM50/硬さSRとS
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋 専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋