クラブ試打 三者三様

コブラ キング SPEEDZONEを西川みさとが試打「もうひと押しが欲しい」

2020/05/26 05:00

コブラ「キング SPEEDZONE ドライバー」の評価は!?

2020年春モデルの中で、評価がうなぎのぼりとなっているのが、コブラ「キング SPEEDZONE ドライバー」だ。前作「キング F9」も評判は高かったが、その性能をしっかり引き継ぎ、振り心地と飛距離性能をさらに高めたという。そんな注目モデルをヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

―率直な印象は?
「要因がヘッド重量かバランスかは分からないのですが、振り心地がすごく軽く感じられ、スイングしやすい印象を強く受けました。ヘッドの重さで、スイング中に意図せず垂れてこない感覚があり、ミスヒットが少なかったように感じます」

キャッチコピーは『SPEED WITH NO LIMITS(制限なしのスピード)』

―ヘッドが垂れてこない…?
「はい。ヘッドが重すぎると、イメージより早く落ちてしまい、余計にボールをつかまえに行ってしまうケースがあります。ドローヒッターの私にとって、この強いつかまり感がスイングに悪影響を及ぼしてしまうのですが、この『キング SPEEDZONEドライバー(以下SPEEDZONE)』と『キング SPEEDZONE XTREME ドライバー(以下XTREME)』に関しては、そういった感覚のモデルとは真逆のタイプだと感じました」

『∞』マークが神々しい「インフィニティ フェース」

―真逆のタイプ?
「そうですね。つかまりすぎないので、左へのミスを怖れずに打ちやすかったです。ただ、欲を言えばもうひと押し、インパクトでボールを押していける感覚が欲しかったです。ヘッドが軽い分、少し球筋の強さ、弾道に伸びが足りなかったように感じます。スピン量が他社モデルと比べてやや多めなのかもしれません(バックスピン量:平均3324rpm)。試打モデルはロフト角10.5度でしたが、もう少し立たせて(※調整機能での最大可動値±1.5度)使いたいと思いました」

後方はレーシングカーのようなデザイン

―「XTREME」との違いは?
「見た目の大きさから違います。『XTREME』は、フェース後方が長く大きなサイズ感です。両モデルとも三角形に近い形状になっているのですが、『SPEEDZONE』は正三角形、『XTREME』は二等辺三角形に近い印象。ですが、打感はほとんど一緒。飛距離性能も同じ。弾道には、それほど違いはなかったように思います」

左「SPEEDZONE」右「XTREME」。XTREMEのほうがやや後方が長い

―もうひと押し足りないのは一緒?
「そうですね、一緒です。ただ、『XTREME』のほうが、やや操作性は高いような気がします。球筋は同じだったのですが、より軽くて振りやすく、操作しやすい感覚がありました。もうひとつスパイスが欲しいモデルという部分では『SPEEDZONE』と一緒ですが、よりマニュアル感があるというか、動かしやすい感触がありました」

スピン量がやや多めで少し高さが出ていた…

―どのような人向き?
もう少しランが足りないという点で、ビッグキャリーのみで攻めるモデルだと思いますので、HSが速く自信のある人にはマッチすると思います。私のようなHSが速くない40m/s未満の人には厳しいですね。最低でもHS42~43m/sは欲しいです。パワーがある人が、ロフト角9度を使用して調整でより立たせてみて、振りきれるのであれば、最適なモデルだと思います」

評価点ももうひと伸び… 【総合評価3.8点】

【飛距離】3.5
【打 感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:スピーダー エボリューション for SZ/硬さR
・使用ボール:昭和の森ゴルフドライビングレンジ 専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、昭和の森ゴルフドライビングレンジ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

コブラ
発売日:2020/04/02 参考価格: 71,500円