クラブ試打 三者三様

G710アイアンを西川みさとが試打「飛び系だけど球が上がる」

2020/06/09 05:00

ピン「G710 アイアン」の評価は!?

2019年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」にて、アマチュア優勝を達成した金谷拓実(東北福祉大)が使用していたことで話題となったピン「G700 アイアン」。その後継モデルとして登場したのが、同社史上最高の慣性モーメントを誇る「G710 アイアン」だ。今回は「G700」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「ヘッド自体はやさしい印象ですが…」

―率直な印象は?
「少しシャフトが重くて硬いように感じました。『NSプロ 950GH neo』ということで、いつも80g台以下のモデルを使用している身としては、やや振りが鈍くなってなってしまった印象があります。ただ、ヘッド自体は振りやすかったように思えましたし、それほどハードな印象はなかったです」

キャッチコピーは『飛び系なのに、ズルい』

―構えた印象は?
「色はブラックで締まって見えました。『G700』のシルバーのほうが、全体的に大きなヘッドサイズに見えました。投影面積的にはそれほど大きな差はないと思いますが、黒いというイメージで、精悍で操作しやすい印象を受けました。個人的には黒ヘッドのほうが好きなカラーリングです」

最大限の初速を生むマレージングC300を採用

―珍しく引っかけた球がありましたが?
「単純にシャフトの重さを感じてしまったからかもしれません。あと、アイアンはいつもヘッドをボールの上から打ち込む感じで打っているのですが、最初の1、2球でボールが上がっていく感じがあったので、打ち込めませんでした。その分、少し自分の動きで打ちに行って、引っかけてしまったのだと思われます」

高い慣性モーメントで「ミスしてもブレない」が最大のウリ

―『ズルい“飛び系”アイアン』と呼ばれていますが?
えっ、“飛び系”なんですか? っという感じです。いわゆる“飛び系”の要素である、フェースの強い弾きで前に飛ばすという感じがなく、私の中で“飛び系”という感覚で打っていませんでした…。シャフトが重かったせいもあると思います。正直もう少し軽いシャフトで打ってみたかったです」

右G700と大きく違うのはカラーリング 黒orスチール好みはどっち?

―「G700」と比べてどう?
「『G700』は逆にシャフトが『NSプロ ZELOS 6』という軽量モデルでしたので、振りやすく感じてしまいました。シャフトが同じであれば、もう少し厳密に採点できたと思うのですが、ZELOS 6であれば『G710』も同じ印象で打てたと思います。『G700』ではヘッドをボールの上から入れることができましたし、シャフトがしっかりしなって打ち込むことができました。距離も思っていたより出ていました(総距離:平均145yd)ので、『G710』でも同じような弾道で飛ばすことができると思います」

かなり打ち出し角が高く出ている印象(平均18.7度)

―どのような人向き?
「“飛び系”であるならば、ボールも上がっていましたので、男性ならどのようなタイプの人でも扱えるように感じます。ただ、女性にはちょっと厳しいかもしれません…。HSも私くらい(平均35~36m/s)が限界かと思います」

シャフトを替えて再試打希望… 【総合評価3.4点】

【飛距離】3.0
【打 感】3.5
【寛容性】3.5
【操作性】3.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:28度(7I)
・使用シャフト:NSプロ 950GH neo/硬さR
・使用ボール:昭和の森ゴルフドライビングレンジ 専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、昭和の森ゴルフドライビングレンジ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

ピン
進化した「飛び系」アイアン
発売日:2020/03/19 参考価格: 126,500円