クラブ試打 三者三様

アーティザン ウェッジを筒康博が試打「良くも悪くも自分次第」

2020/07/02 05:00

アーティザンゴルフ「アーティザン ウェッジ」の評価は!?

ナイキでタイガー・ウッズのクラブ作りを担当していたマイク・テーラー氏が、2017年に立ち上げた「アーティザン ゴルフ」。パトリック・リードの18年「マスターズ」制覇に貢献し、すでに米ツアーでは大きな存在感を見せている。そんなアーティザンのウェッジを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?

「接地面積の少なさが最大のウリ」

※目標80ydを狙った平均弾道/ロフト角52度

―率直な印象は?
「ウッズのクラブを開発していた担当者が作った、アメリカのカスタムクラブですが、やはり地クラブっぽい要素は、このモデルの魅力ではないかと思います。特にソールの接地面積の少なさが、性能面での最大のウリになっていると言えます」

面取りの効果が大きく出ていると筒

―接地面積の少なさ…?
「はい。地面と接するソールの幅が少ないため、圧倒的な抜けの良さを感じさせてくれます。バウンス角自体はそれほど少なくないと思いますが、ソール後方からヒール側にわたって、面取り(削り加工)がしてあるので、フェースを開いても歯の浮き具合が、スクエアの時と変わりません。リーディングエッジ(フェース最下部の刃)をどこに出すかということを、明確にもっている人には、色々な技ができるモデルかと思います」

スピンを含め高い性能を引き出すのは腕次第というところか…

―寛容性は少ないという感じ?
良くも悪くも自分の腕次第というところはあります。その点では、操作性があるか、寛容性があるかと聞かれると、ユーザー次第なところは否めません。使っているアイアンの流れ、自分の理想的な球筋や希望に合わせて、技を引き出したい人に向けたモデルであることは確かです」

バッグの中に入れておくだけで存在感を示せるウェッジ

―魅力的な部分は他にある?
「ズバリ所有感ですかね。今回は黒塗り仕様を打たせてもらいましたが、ノーメッキモデルも含め、ウェッジは他の人と違うものを持ちたいという人に、おすすめできるモデルといえます。元々の性能に頼る、頼らないということよりは、自分で何がしたいのかというところにフォーカスし、対応してくれるモデル。持っていて他の人に威張れるウェッジだと思います(笑)」

基本シャフトは「モーダス3 105」が挿さっているが…

―カスタムしたくなる?
「そうですね。ウェッジの面白さは、シャフトを替えたり、ソールを削ったり、色々と自分仕様に遊べるクラブだと思います。そういう面では、スペックも含めて自分好みに作れるところが、このモデルの魅力的なところと言えそうです。性能面でも、ダイレクトに打感が伝わる部分も含め、地クラブの要素が豊富に盛り込まれているところが、大きな特徴です」

打ち出し角を変えてイメージ通りの弾道が出ていた様子

―どのような人向き?
「誰におすすめするというより、クラブにこだわりを持っている人向けかなと思います。特にフェースを開いたり閉じたり、ボール位置を右に置いたり左に置いたり、高く上げたり低く打ち出したり、多種多様な球筋を打ち分けたい人にマッチするモデルと言えそうです」

「操作性」以外すべて4点台【総合評価4.1点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:52度、56度(どちらもスタンダードソール)
・使用シャフト:NSプロ モーダス3 105/硬さS
・使用ボール:千代田ゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、千代田ゴルフセンター

■ 筒 康博 プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。