DJ-4 ウェッジを筒康博が試打「アイアンに組み込みやすい」
フォーティーン「DJ-4 ウェッジ」の評価は!?
創業以来アマチュアゴルファーに最適なモデルを提供してきたフォーティーンが、自信をもって送り出した「DJ-4 ウェッジ」。同社のアイデンティティをギュっと凝縮した“ド真ん中”のウェッジとのことだが、果たしてどのようなモデルなのか!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博は、どのような評価をくだすのか!?
「単に“やさしい”だけじゃない」
―率直な印象は?
「ひと言で表現すれば、やさしいモデルです。ただ、単に“やさしい”だけだと、ソール幅が広くてミスに強い半面、ソールの抜けが悪くなる。『DJ-4』はそのような抜けの悪さが一切なく、しかもやさしい。細部まで考え尽くされた造りに、仕上がっているように感じました」
―やさしい要素はどこ?
「圧倒的に感じられるのは、バックフェースのキャビティ部分。重量を外側に配置して、ミスヒット時の寛容性を高くしています。フェースのどこに当たっても距離の誤差が少なく、左右の高さやスピン量にも大きな差が出にくいことを実感できました」
―抜けの良さを生む要素はどこ?
「ソール幅自体は広めですが、ソール後方を少しだけ切り落としてあり、ロフト角56度以上でバンカーショットを打つと、しっかりバウンスを感じることができます。芝の上からのアプローチでも、手前に大きくダフっても、ちゃんと滑ってくれる。バウンスに存在感があるのに、邪魔になるほど出っ張っていないところが大きな特徴だと言えます」
―以前のモデルと比べてどう?
「アイアン感覚でもショットがしやすい点が、大きく変わったと思います。操作性を重視する単品モデルは、ヘッドの大きな飛び系アイアンとの組み合わせが非常に難しくなってきています。その点で『DJ-4』は、ピッチングウェッジの下のクラブという立ち位置を守り、ネックは短かすぎず長すぎず中間的な長さで、オフセット(リーディングエッジがネックより後方に下がっている)の量も適度。どのアイアンセットとも違和感なく、合わせやすく進化していると言えます」
―スピン性能は?
「フェースを見た印象から、溝がしっかり入っていることが伝わります。アドレスで構えた時に、スピンが掛かることをイメージでき、安心感を与えてくれます。2002年に発売され、当時のプロもアマも飛びついた名器『MT-28 ウェッジ』のコンセプトに原点回帰しているように感じられます。形状は全く違うのですが…」
―どのような人向き?
「クラブにちょっと手助けてしてもらい、ダフリやトップを無くしたい人。グリーン周りに少し手を焼いている人が持つと、その価値はより高まるかと思います。シャフトも軽めのスペック(スチール『DS-91w』/96g、カーボン『FT-62w』/65g)があるので、100切り、90切りをしたい女性ゴルファーにおすすめです」
「バンカー対応力」が5点満点【総合評価3.9点】
【スピン性能】4.0
【打 感】3.5
【抜け感】3.5
【バンカー対応力】5.0
【構えやすさ】3.5
・ロフト角:52度、56度
・使用シャフト:NSプロ DS-91w
・使用ボール:千代田ゴルフセンター専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、千代田ゴルフセンター
■ 筒 康博 プロフィール
プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。