クラブ試打 三者三様

GLIDE 3.0 ウェッジを西川みさとが試打「ピンのアイアンの流れを感じる」

2020/07/28 05:00

ピン「GLIDE 3.0 ウェッジ」の評価は!?

ドライバーの売り上げが好調のピン。同社のウェッジ「GLIDE(グライド)」シリーズの新作「GLIDE 3.0 ウェッジ」は番手別に溝が設計され、ロフト角54度から60度は前作から溝を一本増やし、どんなライからでもしっかりスピンがかかると評判だ。そんなピンの自信作を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「フルショットも打ちやすい」

※目標80ydを狙った平均弾道/ロフト角52度

―率直な印象は?
「ウェッジを使用しているのですが、どちらかというと、同じピン製のアイアンの流れを強く感じました。特にロフト角52度のほうは、サンドウェッジというよりもピッチングウェッジに近い印象でした。コントロールショットだけでなく、フルショットも打ちやすい造りになっているのではないでしょうか」

『究極のスピン性能を誇る溝と滑るソール』というキャッチコピー

―打感はやわらかい?
「少し硬い打音が影響しているのか、感触もやや硬いように感じました。ただ、カチンカチンな硬さというわけではなく、ちゃんとスピンも入る適度な硬さ。硬い?やわらかい? と聞かれた場合、どちらかというと硬いと答えるレベルです」

ソール形状は4種類(SS・EYE2・WS・TS)。画像は52度SS

―前作「GLIDE 2.0 ウェッジ」と比べてどう?
「まず見た目が大きく違います。『3.0』のほうが、リーディングエッジが前に出ていて、いわゆる“出っ歯”という形状。『2.0』のほうが奥に入っていて、ボールを狙い通りに打ち出すイメージがもてます」

左が3.0、右が2.0。サイズ感はほぼ同じ

―スコアラインの違い(『2.0』は一番下のスコアラインが白線になっている点)は?
「白い線の影響は、かなり見え方に違いを生んでいます。この白線があることで、『2.0』のフェース面は、全体的に締まって見えます。ボールの直進性を生み、方向性を出しやすい。直進性を重視するなら、『2.0』を選ぶべきかなと思います」

やや広めのキャビティ構造。周辺に重量を配分して慣性モーメントを高めた

―「3.0」は直進性が劣る?
「劣るというよりも、いろいろな球筋を打ち分けたいなら、『3.0』を選ぶべきという意味です。形状も出っ歯で、ボールを拾うイメージがもてます。また白線がない点も、フェース全体を面で捉えやすく、面全体でボールを動かすイメージがもてるため、想像通りに回転をかけていくことができます」

フルショットでも軌道がブレずコントロールしやすい点を評価

―どのような人向き?
「ピンのアイアンを使っている人であれば、その流れで合わせたほうが、ベストと言えます。特殊というほど特殊な形状ではないのですが、ピン 『i アイアン』シリーズのような、見た目のシャープさがありながら、打ってみるとやさしさがあるという、ピン独特のアイアンの特徴が踏襲されている感覚があります」

打感以外はすべて4.0点【総合評価3.9点】

【スピン性能】4.0
【打 感】3.5
【抜け感】4.0
【バンカー対応力】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:52度 バウンス角:12度 スタンダードソール(SS)
・ロフト角:56度 バウンス角:14度 ワイドソール(WS)
・使用シャフト:Z-Z115
・使用ボール:千代田ゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、千代田ゴルフセンター

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

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発売日:2019/09/06 参考価格: 23,760円
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