クラブ試打 三者三様

ディアマナ TBを西川みさとが試打「40g台でも粘り強め」

2020/11/10 05:00

三菱ケミカル「ディアマナ TB」の評価は!?

三菱ケミカルの主力シリーズ「ディアマナ」から登場した「ディアマナ TB」。「TB」は「True Blue」の略称で、“青マナ”の系譜を踏んだ最新モデルだ。スムーズなスイング軌道に導く「True Smooth E.I.」という剛性分布で、幅広い層のプレーヤーにマッチするという。そんな次世代の万能シャフトを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「もう少し走り感があっても…」

―率直な印象は?
「勝手なイメージですが、使用した重量帯40g台であれば、もう少し走り感があっても良いかなーというのが率直な印象です」

王道ディアマナのブルー系E.I.(剛性分布)に磨きをかけた最新作

―走り感が足りない?
「切り返しでかなり粘る感じがあり、タイミングが待ちきれなかったと言いますか、イメージよりヘッドが遅れて戻ってくる感覚がありました。『40S』であれば、もう少し速くしなり戻って、小気味よく動いてくれるイメージがあったので、その感覚よりは少し粘り感が強いのだと思います」

手元側には「D」のロゴが入り、白と紺のコントラストが美しいデザインに

―芯の強さ(シッカリ感)があるから?
「ですかねー…。シャフトの特性を把握して試打できれば、対応できたと思うのですが、自分のスイングのままでは少し走り感が欲しいと思ってしまいました。紺のカラーリングの印象からか、自分がイメージしていた40g台の重さより重く感じて、『40S』が『50R』のような雰囲気に感じられました」

ブルーというよりはネイビーブルー(紺)の色味が強い

―カラーリングで重く感じる…?
「はい。明るい色よりも暗い色のほうが重く感じますよね? 白より黒。今回は紺でしたが、目から入る情報によって、スイングの感覚は大きく左右されるものと思っています。特に10gの微妙な差で、振り心地が変わるシャフトでは、色味も重要な要素のひとつ。機能的には軽さは感じられませんでしたが、紺と銀の組み合わせはデザイン的にお洒落なので、とても好印象。【デザイン】評価は4.0点です」

「SIM MAX」のヘッドとの組み合わせはカラーリングとしてもマッチ

―飛距離性能は落ちる?
「ウーン…、今回はタイミングを合わせられなかったので、飛距離はあまり伸びなかったですが、しっかりつかまえにいければ、結果もだいぶ変わってくると思います。前回の『ツアーAD HDのような走り感とは異なった特性で、インパクトでしっかり当てにいく意識がないと、ボールは思うように飛んでくれないと感じました」

シッカリ感の影響からか「少し振り遅れる」と西川

―どのような人向き?
「全身で振りにいくスインガータイプより、インパクト時にしっかり当てにいくヒッタータイプ。しっかりボールをヒットさせる意識が強い人のほうが合うと思います。非力な女性ゴルファーは少し難しいかもしれませんが、私のように40g台(硬さはR2からXまで)で自分に合ったスペックを選べば、HSは関係なく、スイングタイプで選んでも大丈夫です」

やや厳しめな点数…【総合評価3.7点】

【走り感】3.5
【粘り感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】3.5
【デザイン】4.0

・使用モデル:ディアマナ TB 40(硬さ:S)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM MAX ドライバー(ロフト角:10.5度)
・使用ボール:シーサイドゴルフ木更津専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、シーサイドゴルフ木更津

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

三菱ケミカル
発売日:2020/09/04 参考価格: 44,000円