クラブ試打 三者三様

スリクソン ZX5 ドライバーを西川みさとが試打「力感なくても打てる」

2020/12/15 05:00

ダンロップ「スリクソン ZX5 ドライバー」の評価は!?

ドライバーに並々ならぬこだわりをもつ松山英樹が、開発直後から実戦投入して結果を出し、話題となったダンロップ「スリクソン ZX5 ドライバー」。剛性の高いエリアと低いエリアを交互に配し、大きなたわみを生む「リバウンドフレーム」 を搭載した新モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「スリクソンっぽくない」

―率直な印象は?
「これまでのスリクソンのイメージとは、全く違う感覚を抱きました。スリクソンはツアーモデルなので、多少なりにハードさを感じる部分はあったのですが、以前と比べてとても振りやすく、やさしく進化した印象を強く感じました」

ZX5・ZX7の二枚看板。シリーズ名はZからZXに変更

―やさしく進化した…?
「はい。これまでのイメージでは、しっかりインパクトさせないと、ボールが上がらないプレッシャーがあったと思いますが、『ZX5』は想像よりも弾道が高く出てくれます。具体的には、ヘッドの構造上、操作性を感じるにもかかわらず、同時に安定感も感じられるところ。そこが一番、スリクソンっぽくない要素だと感じます」

メインテクノロジーとなる反発性能をアップさせた「REBOUND FRAME(リバウンドフレーム)」

―前作「スリクソン Z585 ドライバー」もやさしくなったと聞きましたが?
「前作は、同社のアベレージ向けモデル『ゼクシオ』シリーズで採用しているカップフェース構造に変わり、部分的にやさしさを感じる要素が足されていました。『ZX5』は、部分的な変化ではなく、全体的にやさしく生まれ変わった印象。見た目はスッキリ見えて動かしやすく感じるのに、オートマチックな機能がある。自然と高さを出せて、勝手に飛ばしてくれる要素が、大きな変化だと言えます」

フェース周辺部を厚く丸くすることで変形を抑えた形状に

―オートマチックな機能…?
「従来モデルの“しっかりインパクトさせないとダメ”という印象は、インパクトの瞬間にヘッドを操作して、自らつかまえる動きをとらないといけない部分から来ていました。言い換えると、インパクトで力感を入れるヒッタータイプ向き。『ZX5』は、力感を必要としないスインガータイプでも当てられるモデル。それほど力感がなくても、当てさせてくれるドライバーと言えます」

「リバウンドフレーム」の文字が入ったフェース面

―松山選手が使用した理由は何だと思う?
「ウーン…。正直、本人に聞かないと分からないですが、ハードすぎるモデルがそれほど好きではないのかなと推測します。米ツアーのハードなコースセッティングの中では、フェアウェイにティショットを打っていかないと致命的なミスになりかねません。ハードすぎるモデルでは余計な力が入ってしまう。それほど気合いを入れなくても、そこそこ距離を出せるモデルを探しているような気がします」

左右のブレが全く見えない結果に「打ちやすい」「ちょうどイイ」と西川

―どのような人向き?
「やさしくなったとは言え、HS30m/s台の私が使用するとなると、少し抵抗は感じます。最低でもHSは40m/s以上必要なクラブであることは確かです。ただ、平均35~36m/sの私でも打感をしっかり感じられるほどやわらかさがあり、ちゃんとボールも上がってくれる。直進性もあり、ミスが出にくい。全く使えないモデルではないことは、しっかり補足しておきたいと思います」

平均点が高く評価上々【総合評価4.2点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・シャフト:ディアマナ ZX50(硬さR)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、市川サンライズゴルフセンター

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

ダンロップ
大きな飛距離と寛容性
発売日:2020/10/17 参考価格: 72,600円