SIM2 MAX-D ドライバーを西川みさとが試打「SIM2で選ぶならD」
テーラーメイド「SIM2 MAX-D ドライバー」の評価は!?
発売から約一カ月が経ち、ウェブ上で一般ユーザーの反応が多く見られるようになったテーラーメイド「SIM2」シリーズ。中でもドローバイアスのかかった「SIM2 MAX-D ドライバー」は、飛距離性能とともにやさしさを期待する声に応えたモデルとして評価は高い。そんな革新的モデルのひとつを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「正直、悪くはないけれど…」
―率直な印象は?
「評価点(総合3.9点)は、やや辛くなってしまったのですが、唯一3.5点の【寛容性】も4.0点に近いレベルで、私の中では『SIM2』シリーズの中で一番評価の高いモデルでした。正直な感想を言うと、悪くはない。悪くはないけれど…(何かが気になる)といったところです」
―実際に打った印象は?
「ボールがつかまりすぎることはなく、どんなに振り切っても左に行く弾道がなかったので、安心して振り抜くことができました。つかまり切れなかった同シリーズの他2機種(『SIM2 MAX』『SIM2』)よりもランが稼げて、飛ばせる実感が湧きました。ただ、満足のいく弾道かと聞かれたら、ウーン…と考え込んでしまう。理由は『SIM2』シリーズ自体の設定だと思います」
―「SIM2」シリーズ自体の設定…?
「はい。私が評価をすること自体が難しいと言いますか…。『SIM2』シリーズ3機種を正当に評価するなら、もう少しHSがないと難しいというのが本音です。私のHS(平均35~36m/s)では、当たり外れの差が大きく出てしまう。振れている日は、すごく良い当たりをするのですが、体調が悪くて振れない日は、全く当たらない…。ただ、その中では、『SIM2 MAX-D』が一番、良いフィーリングで飛ばせる印象でした」
―打感の違いは?
「基本的には『SIM2 MAX』と同じで、打感はやわらかく、ヘッドの効き具合が足りない印象です。『SIM2 MAX-D』の違う点は、それでも一番つかまってくる感じはあること。ヘッド自体の重さは感じられないのですが、振られている感覚が多少ある。フェースの操作感の微小な差で、タイミングを取りやすく感じました」
―フェースの操作感の微小な差とは?
「『MAX』との大きな違いは、弾道の作りやすさだと思います。『MAX-D』のドローに対し、『MAX』はストレートに近い弾道。『MAX-D』のほうが、インパクト前後のフェースの開閉ができるので、しっかりボールをつかまえてドロー弾道が打てる。一方の『MAX』は方向性は良いものの、弾道をイメージ通りに作るのは難しい。ウエイト位置の違い(MAXはソール中央、MAX-Dはヒール側)で、これほど弾道に影響するのかと驚くほどです」
―どのような人向き?
「やさしいモデルのカテゴリーには入ると思いますが、それほど簡単にドローが打てるやさしさではありません。『SIM2』はやはり、ある程度パワーのある人におすすめのシリーズ。『MAX-D』を使用できる目安は、40m/s前後がギリギリのラインだと思います。私にとっては、ハードなモデルであると言えるでしょう」
点数的にはSIM2 MAXと並ぶ【総合評価3.9点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:10.5度
・シャフト: TENSEI BLUE TM50(硬さSR)
・使用ボール:ドリームゴルフガーデン専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ドリームゴルフガーデン
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。