クラブ試打 三者三様

SIM2 MAX フェアウェイウッドを西川みさとが試打「SIM2 FWより硬くて弾く」

2021/04/20 05:00

テーラーメイド「SIM2 MAX フェアウェイウッド」の評価は!?

革新的な構造で今春の話題をさらった、テーラーメイド「SIM2」シリーズのドライバー。中でも「SIM2 MAX ドライバー」は着実に売り上げを伸ばし、それに比例するように「SIM2 MAX フェアウェイウッド(以下FW)」にも高い評価が集まっている。そんな注目のFWを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「200yd飛んでいるものの感触では実感なし」

数値的には問題なかったがフィーリングの部分で気になるところが…

―率直な印象は?
「数字的にはFWで200yd近く飛んでいたので(総飛距離:平均201.4yd)、満足のいく数字ではあるのですが、実際にはそれほどの好感触なイメージが持てません。ボールが上がり切らず、転がっていくだけの弾道で、数値ほど飛ばせているようには感じられなかったです」

テーラーメイド史上最も低重心化を実現したヘッド

―ボールが上がり切らない要因は?
「シャフトの硬さはSRなのですが、表示の印象よりも硬くて、しなり感が足りませんでした。ドライバーと同じ『TENSEI BLUE TM50』でしたが、その時とやはり全く同じで感覚で、思うようにボールがつかまらなかったです」

左がSIM2 MAX、右がSIM2。ソールウエイトの素材が明らかに違う

―兄弟モデル「SIM2 FW」との違いは?
「『SIM2 MAX』のほうが打感が硬く、フェースの弾きが強いように感じられました。同社の過去のMシリーズのように、よりアスリート向けのモデルのほうが打感は硬いイメージがあるのですが、『SIM2』は芯をとらえた時のやわらかさがあり、グシャッとボールを潰した感触が手に残りました。その点で、『SIM2 MAX』よりもやわらかさを感じるフィーリングを得られたのだと思います」

BLUEは重さ約51gに対してSILVERは約54g(※硬さSの場合)

―純正シャフト(「SIM2」は「TENSEI SILVER TM50」)の違いは?
「シャフトの印象は、どちらも同じくらい硬く感じられました。それぞれのヘッドに合わせた特性で、『BLUE』と『SILVER』に分けてあると思うのですが、私のスイングにはどちらも硬く、正直2本の違いを言及できるまでに至りませんでした」

高強度のC300マレージング鋼「ツイストフェース」

―前作「SIM MAX FW」と比べてどう?
「実は以前、打感がやわらかい『M5 FW』を使っていたためか、『SIM2 MAX』の弾き感の強さがより印象に残ってしまいました。『SIM MAX』と比べても、だいぶ打感が硬く仕上がっています。見た目の印象は『SIM MAX』と同じで、シャープでクセのない形状。少し小ぶりなFWが好きという人には、どちらも適度なサイズ感と言えます」

「シャフトがフレックス表示(SR)より硬く感じる」と西川

―どのような人向き?
「HS40m/s以上で、筋力のあるアスリート向き。『SIM2 MAX』も『SIM2』もツアーモデルなので、やはり一般女性ゴルファーには厳しいでしょう。スペックが異なるシャフトに替えれば、ある程度は使いこなせる人はいるかもしれませんが、基本的にはやさしいイメージは持てないと思います。私と同じ30m/s台のゴルファーが、硬さRを使用しても、シビアな印象が変わることはないでしょう」

飛距離評価は3.5点△【総合評価3.9点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:15度(3W)
・シャフト:TENSEI BLUE TM50(硬さSR)
・使用ボール:ドリームゴルフガーデン専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ドリームゴルフガーデン

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

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