クラブ試打 三者三様

VENTUS BKを西川みさとが試打「万振りマンさん用(笑)」

2021/06/15 05:00

藤倉コンポジット「VENTUS BK」の評価は!?

米国発の逆輸入モデルとして、国内でも人気が広まった藤倉コンポジット「VENTUS(ベンタス)」シリーズ。上陸第2弾となる「VENTUS BK(ブラック)」は、ロリー・マキロイジャスティン・ローズルーク・ドナルドらが使用する本格派プロユースだけに、アベレージゴルファーにはややハードな印象もあるが、果たしてその性能は!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「手も足も出ないハードスペック!?」

つかまり切らず右方向への弾道が多い結果に

―率直な印象は?
「パワーヒッター向きなので、HS30m/s台の私にとっては、やはりハードで使いこなせません。一番軽い50g台でも硬さSとXしかラインアップがないという点からも、スペック自体がハードすぎるのだと思います」

キャッチコピーは『飛距離とコントロール性能を両立したアメリカ初のシャフト』

―米男子プロが使うという部分は納得?
「そうですね。そもそも、この『VENTUS BK』を振りきれるパワーがないと、シャフトの特性を十分に生かし切れないでしょう。私のスイングで何とか感じられたのは、走り感より粘り感がやや強めという部分のみ。比較したブルー(『VENTUS BL』)も似た動きをしていたので、『VENTUS』シリーズ自体が、しなり量をあまり感じさせない特性なのかと思います」

BKはBLより先端剛性は高いまま中間から先端剛性を高めたモデル

―左に行かない設計は感じる?
「はい、感じます。ミスショットではなく、全体的に右方向への弾道が多かったです。叩いても引っかけず、方向性がまとまる点を想像するなら、飛距離よりも方向性を重視したい人向け(ハードヒッター限定)と言えそうです」

デザインは全く同じまま全体のカラーリング(黒と紺)が違う

―「BL」との違いは全くない?
「女子プロの選手の中には、『BL』を使っている人が多いようですが、私は何となく『BK』のほうが粘り感が強かった気がしました。意外と思われそうですが、どちらかを選ぶなら『BK』かもしれません。スイング中のしなり感を得られる分、使い心地は『BK』のほうが良かったです。ただ、両方ともハードなのは間違いありませんが…」

BK・BLともにSIM2 MAXとの組み合わせで試打

―試打前は「BL」のほうが気になっていたようですが?
「実は試打する前は、ブルーのほうが気になっていました。ただ、思っていた以上に粘り感がなく、飛距離が出せませんでした。正直に言うと、長くて硬い棒を振っているような、しなり量の少なさ。特に切り返しでのしなり感が少なく、ダウンスイングでしなり戻るタイミングを計れず、インパクトで思うように操作ができなかったです」

「うーん…、私にはちょっと難しすぎます…」と西川

―どのような人向き?
「競技に出ている上級者やアスリートゴルファー。またはパワーのある人、万振りマンさんのようなパワーに自信のある人向きでしょうか(笑)。最適なHSは45m/s以上。最低でも42~43m/sはないと、その性能を生かしきれないように感じます」

やや辛口採点 走り感・寛容性が3.5点△【総合評価3.9点】

【走り感】3.5
【粘り感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【デザイン】4.5

・使用モデル:VENTUS BK 5(硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM2 MAX ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ENEOS市川サンライズゴルフセンター

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

藤倉コンポジット
発売日:2021/02/18 参考価格: 55,000円
藤倉コンポジット
飛距離とコントロール性能を両立したアメリカ発のシャフト
発売日:2020/02/13 オープンプライス