クラブ試打 三者三様

VENTUS BKを万振りマンが試打「硬すぎ難しすぎ」

2021/06/19 05:00

藤倉コンポジット「VENTUS BK」の評価は!?

米国発の逆輸入モデルとして、国内でも人気が広まった藤倉コンポジット「VENTUS(ベンタス)」シリーズ。上陸第2弾となる「VENTUS BK(ブラック)」は、ロリー・マキロイジャスティン・ローズルーク・ドナルドらが使用する本格派プロユースだけに、アベレージゴルファーにはややハードな印象もあるが、果たしてその性能は!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「振り切る前の跳ね方が印象的」

つかまり切らず打ち出し段階から大きく右に出る結果に

―率直な印象は?
「走り系か粘り系かで言うと、走り系のモデルなのかなという印象です。硬さがしっかりしている分、インパクト後にピュッと走ってくれる感じが強かったです。完全に走り系とは言えませんが、振り切る直前の跳ね方、弾き方が特徴的なシャフトだと感じました」

BK、BLともに同じスペック5Sで打ち比べ

―弾きが強い?
「そうですね。同じ三菱ケミカル社製『ディアマナ』や国内のモデルと比べて、とてもツアーモデルの要素が強く、強靭でシビアな印象を受けます。使用したモデル5の硬さS(5S)でも受けたしっかり感から想像すると、より重量があるモデルでは太刀打ちできない気がします」

プロも使用する注目の組み合わせSIM2シリーズとの相性は?

―特性としては、左に行かない?
「はい、全く左には行きません。逆にボールがつかまり切らず、全て右にスライスしてしまいました。インパクト直後のピュッと走る感覚に、スイングでうまく合わせることができなかったからだと思われます。シャフトの特性を示すフレーズでよく聞く“叩ける”というよりも、しっかり“叩かなければいけない”特性。しっかり叩かなければ、ボールは全て右へ飛んでしまいます」

同じ5Sでも重量はBKが57.5g(トルク3.7)、BLが59g(3.3)

―「VENTUS BL(ブルー)」と比べてどう?
「『BL』のほうがシャフトのしなりを感じられ、実戦に投入するなら最低このくらいしなる量が必要なのかと、試打中に再認識できました。私がいま使用しているシャフトがやわらかく、ビヨンビヨンなタイプなので、硬さのギャップによって違和感を抱いてしまっただけかもしれませんが…」

メーカー側は『BLより叩けてバックスピン、弾道を抑えたモデル』と明記

―実戦向きなのは「BL」?
「うーん…、『BL』のほうが、まだ扱えるというレベルです。実際に『BL』のほうがスピン量は多かったので、バックスピンを多く入れてフェアウェイセンターを狙っていくなら『BL』を選ぶとは思います。ですが、基本的に『VENTUS』シリーズはハードであることは間違いありません。ある程度の飛距離も考えて、実際にコースで使うなら、もう少ししなって飛ばせるシャフトを選びたいのが本音です」

「HSの速さだけでなく、スイングのうまさが必要」と万振りマン

―どのような人向き?
「スイングが固まっていて、とにかくボールが曲がらない上級者向きだと思います。しっかり叩かないといけませんが、少しでも上から入ったり、カットに入ると、その瞬間に右のOBが怖くなる。スイング中、クラブを上手にコントロールできるシングル級の腕前が必要です。しかもパワーヒッター向けなので、国内で使いこなせる人は限られてしまうような気がします」

パワーヒッター・万振りマンでも平均的な結果に…【総合評価4.1点】

【走り感】4.5
【粘り感】3.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.0
【デザイン】4.5

・使用モデル:VENTUS BK 5(硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM2 MAX ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ENEOS市川サンライズゴルフセンター

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

藤倉コンポジット
発売日:2021/02/18 参考価格: 55,000円
藤倉コンポジット
飛距離とコントロール性能を両立したアメリカ発のシャフト
発売日:2020/02/13 オープンプライス