フォーティーン PC-3 アイアンを西川みさとが試打「女性向きフォーティーン」
フォーティーン「PC-3 アイアン」の評価は!?
やさしさを求めるアベレージゴルファーに向けて発売されたフォーティーン「PC-3 アイアン」。バックフェースがポケット型のキャビティ構造になっており、純正シャフトは重量帯の異なる3種類のカーボンモデルがラインアップされている。そんな特徴的なアイアンを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。
「軽くて細めのシャフトがやや頼りない」
―率直な印象は?
「全体的に軽くて(総重量:7I/シャフトFT-40iで347g)、やさしい印象を受けます。ボールを上から打ち込む人よりも、さらっと払い打てる人に合うアイアンかなと思います」
―さらっと打てる人?
「はい、さらっと打てる人向きです(笑)。ダウンブローよりもレベルブローで、インパクト前後でソールの接地時間の少ない打ち方ができる人向き。シャフトのFT-40i カーボン(ワンフレックス/45g)はパワーに自信のない私でも軽く感じる設定ですから、全体的に軽さが際立つ性能や、振り心地を考えた特性に作られているのだと思いました」
―顔はやさしすぎない?
「そうですね。やさしいアイアンであるのに、それほどボテッとした形状になっていないところに好感が持てます。バックフェースはそれなりに厚みがあるのですが、ヘッド全体はそれほど大きすぎず、すっきりしたシルエット。構えて上から見たときに、フェース面が何も邪魔されず見やすいので、やさしすぎない顔に仕上がっています」
―これまでのフォーティーンのイメージは?
「過去の同社製アイアンは比較的、難しいイメージがありました。玄人好みで、ギアに詳しい中上級者が使うメーカーという印象。ですが、この『PC-3』はアベレージでも月1回ペースでラウンドするようなエンジョイゴルファーでも十分に扱えそう。ラクにボールが上がり、やさしくゴルフを楽しめるモデルだと思います」
―シャフト「FT-40i」の印象は?
「軽いというイメージは強いですが、同じくらい細さも特徴的です。軽くて細い印象になっていることで、ヘッドをより速く走らせるのが狙いだと思います。ただ、少し頼りなさは感じられるので、スペックは慎重に選ぶべきかと思います。また、『PC-3』でそろえると、アイアンセット自体が軽くなるので、ウッドと合わせた14本の組み合わせが難しくなる気がします。ドライバーのシャフトを30g台の超軽量モデルにしないと、バランスが合わなくなる。そういう対応が必要になることが、やや懸念点になるように思います」
―どのような人向き?
「女性ゴルファーにおすすめしたいアイアン。特に体力に自信のない方に試してもらいたいです。平均35~36m/sの私でも、頼りなく感じたほどですから、HS35m/s未満の人でも扱えると言えます。これまでフォーティーンに憧れは抱いていたけれど、遠い存在と敬遠していた女性に、ぜひ手に取ってもらいたいです」
飛距離と寛容性がどちらも4.5点【総合評価4.2点】
【飛距離】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:30度(7I)
・シャフト:FT-40i(ワンフレックス)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ENEOS市川サンライズゴルフセンター
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。1998年「日本女子学生選手権」にて優勝し、大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場。2002年にプロテスト合格後は、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで活躍。23年国内女子シニア「JLPGAレジェンズチャンピオンシップ」優勝。