クラブ試打 三者三様

ソナテック TD2 ドライバーを西川みさとが試打「つかまり度低め」

2021/08/10 05:00

ソナテック「TD2 ドライバー」の評価は!?

2000年代初めにロイヤルコレクションの米国向けブランドとして人気を博した「ソナテック」。パーツ専用ブランドとしてギア通を唸らせるカスタムモデルを展開し、ことし発売された「TD2 ドライバー」は、大型ヘッドにもかかわらず振りやすさが抜群と話題に。そんな知る人ぞ知る実力派モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「なぜか左には行かない」

ストレートからやや右方向への弾道が多かった

―率直な印象は?
「一番印象に残った点は、弾道が全然左に行かないことです。良く言えば左のミスが出ない、悪く言えばもう少しつかまり感が欲しいといった印象です」

キャッチコピーは『トウ上ヒットで飛ばせる』

―大きなミスは出ていなかったですが?
「そうですね。引っかけるミスが出ないのは、大きな魅力だと思います。シャフトはやわらかいわけでも硬いわけでもなく、適度なしなり感があるのに、なぜか左には行かない。思い切りつかまえにいっても、真っすぐか、やや右に出る。決してしっかりした感じでもないのに、大きく左へ曲がらない特性は、とても不思議に感じられました」

グラファイトデザイン社製の純正シャフト「FIVEX」

―純正シャフト「FIVEX」はクセがない?
「ワッグルした感じでは結構しなっていますが、頼りないわけではありません。硬さ(フレックス)表示が『W47』(R相当)と独特の表記ですが、私にはちょうどいいやわらかさ。それでもシャフト特性なのか、ヘッドとの組み合わせなのか、なぜかボールはつかまってくれない…。クセはないですが、振れば振るほどつかまらない印象でした」

シャフトから遠い位置にあるウエイトがスムーズなフェースターンを促す

―振れば振るほどつかまらない…?
「はい。意図的に逃がしてフェードで攻めるタイプというわけではなく、勝手に逃げてしまう感覚。私のHS(平均HS35~36m/s)では、インパクトでヘッドの戻りを待って、十分タイミングを計ってから自分でつかまえにいく動きが必要。特にドローを打つなら、タイミングを待つ動作が必須なのかと思います」

日本初の米国AMS(航空宇宙用材料規格)登録チタン合金「SP700」を採用したフェース

―打感はやや硬め?
「硬いとは思うのですが、ガッチガチに硬いわけではなかったです。打音も比較的高めで、フェース面は硬い印象でしたが、インパクト時にボールを押し込むやわらかさはあり、低弾道で低スピンの強い球筋を打つことができました。ただ、やはり私には球の上げやすさも含めて、ややハードな印象は拭えません」

「高い音で硬いかなーと思うけれど打感はやわらかく好印象」と西川

―どのような人向き?
「HSは最低40m/s以上は必要だと思います。ミスの傾向として、左へ巻いてしまう球筋を嫌う人。持ち球はフェードで、無理につかまえにいかずに、タイミングを計ってボールを打てる人向き。やわらかすぎず硬すぎないシャフトは、クセが少ない特性なので、振りやすさを好むゴルファーは多いと思います」

操作できない部分がややマイナス評価【総合評価3.9点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・シャフト:FIVEX W47(硬さR相当)
・使用ボール:市川サンライズゴルフセンター専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、ENEOS市川サンライズゴルフセンター

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。