クラブ試打 三者三様

プロギア LS ドライバーを筒康博が試打「『LS』の認知拡大が急務」

2021/09/02 05:00

プロギア「LS ドライバー」の評価は!?

ヘッドスピード(以下HS)40m/s前後のあなたへ”のフレーズで、プロギアから新登場した「LS ドライバー」。ソールの下にさらにソールを配した「D.B.(DEEP BACK)ソール」により、高弾道&低スピン弾道が打ちやすい設計に仕上がっているという。そんな同社の新たな自信作を、HSの異なる有識者3人が採点。変幻自在に球を操るクラブフィッター・筒康博の評価は?

「ドロップ気味に球が落ちてしまう…」

飛距離も方向性も悪くないものの高さが出ていなかった

―率直な印象は?
「球筋としては低スピンで、ドロップ気味にドローンと下に落ちていく弾道が多かったです。練習場のレンジボールではなく、コースで使うツアー系ボールであれば、もう少し高さが出て、飛距離も伸びる気がします」

ギリギリの高初速と高打ち出し、低スピンが特長

―ボールが高く上がり切らない?
「同社のドライバーは全般的に、フェースの広いエリアで反発力が高い低スピン性能のモデルがそろっています。レンジボールは硬いものが多く、いい当たりをしても、スピンが掛からずドロップ気味に落ちてしまう。打ち出し角の高いツーピースやスリーピース、スピン系のツアーボールで打てば、中高弾道でランの出る球筋になると思います。それほど最近のモデルの中では、かなりスピン量の少ない部類に入ると言えます」

高精度なCNCミルド加工を施したカップフェース

―打感の印象は?
「打音の高さが気になります。最近では珍しいフェースもボディもすべてチタン製ということで、最新モデルの中ではかなり異質の音。国内外のメーカーを問わず、これほど高く響く音は希少なので、違和感を覚えるゴルファーは多いかもしれません。耳から入ってくる情報の影響で、どうしても打感は硬く感じてしまいます」

ソールにはブランドロゴ『LS』がイメージカラーの金色で大きく輝く

―他に気になる点は?
「『LS』という新たなブランドが、一般ゴルファーにどこまで認知してもらえるかが気になります。同社の代表的なドライバーというと、近年ではギリギリの反発性能をもつ『RS』シリーズになると思うのですが、それに比べて『LS』の特性をすぐにイメージできる人は少ない。すぐに『Launch & Spin(高さと回転)』と言い当てられる人が何人いるか。まずはどこまでブランドイメージを浸透できるかがカギになると思います」

高打ち出しを実現するために設計された深低重心ヘッド

―ロースピン(Low Spin)と勘違いしてしまう?
「うーん…、確かに私も、実際に予想していたよりもスピン量が少なかったので、勝手に“ロースピン”というイメージをもってしまいました。『Launch & Spin』の文字の意味では、高さ=スピン量が多い印象なので、実際の低スピン性能とは真逆。スピン量が多いのか少ないのか、正直はっきりと分かりにくい点が、格好いいネーミングではあるのですが、ちょっともったいない気がします」

「つかまりが良いのでランを稼ぐ強いドローボールが打ちやすい」と筒

―どのような人向き?
「スペックは軽量なので、シニア層が第一対象になるとは思うのですが、そこもはっきり言い切れないところがあります。元々スピン量が少なく、ボールが上がり切らないゴルファーからすると、私の結果のように、ドロップ気味で高さが出にくい。また、軽さを求めるゴルファーからすると、それほど軽量でもない(総重量:硬さSで287g)。広いターゲット層としては、年配のゴルファー向けとは思うのですが、ネーミングを含め、対象ゴルファーが分かりにくい面にも、やや不安要素を感じます」

4.5点と3.5点が2項目ずつ【総合評価4.0点】

【飛距離】4.5
【打 感】3.5
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・シャフト:スピーダー エボリューション for PRGR(硬さSR/M-40)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

プロギア
ヘッドスピード40m/s前後のあなたへ。 最大飛距離弾道で飛ばす、ギリギリ新シリーズLS登場。
発売日:2021/06/25 参考価格: 96,800円