クラブ試打 三者三様

GLIDE FORGED PRO ウェッジを西川みさとが試打「もうひと回り大きければ」

2021/09/21 05:00

ピン「GLIDE FORGED PRO ウェッジ」の評価は!?

ピンのウェッジシリーズ「GLIDE(グライド)」から、新たにツアーモデルとして発売された「GLIDE FORGED PRO ウェッジ」。摩擦力が向上する独自の精密加工フェースと、番手別に最適化された削り出し溝の軟鉄鍛造ヘッドで、ショットメーカーに最適な要素が盛り込まれているという。そんな同社が誇る本格派ウェッジを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「操作性◎でイメージが膨らむウェッジ」

やや左につかまった弾道が多かった(※ロフト角52度 目標80yd想定)

―率直な印象は?
「打感がやわらかくて、インパクトでボールに食いつく感じもあり、とても打ちやすいウェッジです。ソールの抜け感も良く、ボールに思うようなスピンをかけられるので、コントロール性能が非常に高い印象を受けます」

キャッチコピーは『操作性に優れたコンパクトなショットメーカー向けウェッジ』

―サイズ感がやや気になった?
「そうですね、やや小ぶりなサイズ感だけが唯一引っかかりました。構えた時に上から見たフェースの印象が、ちょっと小ぶりすぎるので、もうひと回り大きくても良いかなと思いました。基本的に小ぶりで出っ歯な形状は好きなので、このままワンサイズ大きいほうが安心感がもてて、アドレス時の心境に良い影響が生まれるように感じます」

ツアープロの声を反映した操作性に優れるコンパクト形状

―バンカー対応力は?
「今回はバンカーで打っていないのですが、実際に打ってみたくなるほど、対応力への期待がもてる操作性の高さを感じます。ただ、バンカーとなると、よりヘッドの大きさが気になるところ。砂からのショットは、芝上よりもフェースを意識するため、見た目の大きさがより必要になる。バンカーを含め、グリーン周りでのパフォーマンスをより高める意味でも、ひと回り大きいサイズ感が必要と言えるでしょう」

あらゆる形状から狙えるSとグリーン周り専用のT

―TグラインドとSグラインドの違いは?
「Tグラインドのほうがボールにスピンを強くかけられ、打ち出しから高さを抑えて低弾道で打っていける感覚でした。フェースに食いついている時間が長く、ギュギュッとスピン量でしっかりグリーンに止められる印象です。一方のSグラインドは、打ち出しからポーンと高く、高さで止めやすい感じ。それぞれ個性のある攻め方ができるので、同じロフト角でもグラインド別に出球の違いを確かめておくと良いでしょう」

リーディングエッジはやや丸みを帯びていて歯が出ている

―他社モデルと比べてどう?
「私が半年前から使用しているテーラーメイドの『ミルドグラインド 2 ウェッジ』に、負けず劣らずの性能と見た目の精悍さを感じました。プロ仕様モデルとして、新たな本格派が仲間入りした印象。マイクラブとして使ってみたくなる性能に仕上がっています」

「性能も打感も申し分なし あとはサイズ感だけ」と西川

―どのような人向き?
「いろいろなライから、どんな状況でも、ボールを操ってイメージ通りの球筋がつくれそうです。ある程度、自分で弾道の高さや球筋をコントロールできたり、スピン量を計算して使っていきたいゴルファー向き。それだけグリーンを攻める想像力が高い人ということなので、おのずと中上級者向けになるのかもしれません」

構えやすさ以外すべて4.5点の高評価【総合評価4.4点】

【スピン性能】4.5
【打 感】4.5
【抜け感】4.5
【バンカー対応力】4.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:52度(バウンス角10度/Sグラインド)、58度(バウンス角10度/Sグラインド)、58度(バウンス角6度/Tグラインド)、
・シャフト:NSプロ モーダス3 ツアー115(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

ピン
新溝で、止まる。操作性に優れたコンパクトなショットメーカー向けウェッジ
発売日:2021/09/09 参考価格: 30,250円