クラブ試打 三者三様

オノフ ドライバー KUROを筒康博が試打「ボールを押しやすい」

2021/10/07 05:00

グローブライド「オノフ ドライバー KURO」の評価は!?

ソール3カ所とグリップエンド1カ所に配置された、1~12gの共用ウエイトを駆使して重量調整ができる「オノフ ドライバー KURO」。「クロス バランス テクノロジー」と名付けられた革新的システムによって、飛距離と振りやすさを向上させるという。そんな独自の技術が詰まった新ドライバーを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は?

「ウエイト機能よりも打感の良さに注目するべき」

程よいドロー回転の強弾道で平均238ydを記録

―率直な印象は?
「ウエイトの配置で重心距離を変えられる面白いコンセプトばかりに注目されがちですが、実はそれ以上に打感の良さが際立っているドライバーです。インパクト時の球持ちが長く、とにかくフェース面でボールを潰している時間を長く感じることができます」

同社独自のフェース肉厚設計で反発力をアップ

―球持ちが長い…?
「はい。よくボールを“押している”と表現される部分ですが、その感覚が非常に出しやすい。決して重心角が大きく、重心深度が深いわけではないのですが、ヘッド前方の重量比率が高く、インパクトの瞬間にフェース面をしっかり感じとれます。ソール後方に配置されたウエイトは、あくまでも重量調整の一部で、深重心設計のための要素ではないことが分かります」

「ウエイト調整をしなくても(標準装着のままで)扱いやすい」と筒

―前方の重量比率が高いとどんな効果が?
「プレーヤーが自分で良いインパクトをすればするほど、思った通りの打ち出し角を得られ、スピン量を抑えることができます。またフェードとドローを打ち分けやすく、自由自在に操作できるメリットが生まれます。要するに、浅重心ヘッドの操作性と球筋の威力をイメージすると良いと思います」

DAIWAのテクノロジーから生まれたオリジナルシャフト

―シャフトの印象は?
「高級釣り竿を振っているような、性能へのこだわりが感じられます。同社は釣り具メーカーのDAIWA(ダイワ)としても有名なので、シャフト製造には定評がある。この組み合わせを他社で作ろうとすると、ハッキリ言って予算的に厳しいです。カスタムパーツメーカーや高級路線の地クラブブランドの完成品のような、確かなフィーリングを得られるシャフト×ヘッドと言えます」

パワートレンチのたわみ効果でさらなる飛距離を実現する

―「ロッディオ」に似ている部分はある?
「当然、メーカーが同じ関連会社なので、近いモデルであることは確かです。ただ、『ロッディオ』のドライバーとは違う操作性の高さ、フィードバックの得やすさは感じます。プロモデルのアイアンを打っているような、ミスがミスとして把握しやすく、ラウンド数をこなすほど鋭い感覚を出し切れる。そういう点で、競技に出るような上級者に受け入れられるモデルだと感じました」

「グイッとインパクトでひと押しできる」と筒

―どのような人向き?
「初心者セットや中古品でゴルフを始めた人が、2本目に購入するべき本格派ドライバー。自分で新品を初めて買うときの候補に入れてほしいと思います。シャフトに歯ごたえがあり、コシの強さを感じるので、上級者向けだからベテランゴルファー限定というよりも、若い年齢層でスコアをいま以上に伸ばしたい熱意を持ったゴルファー向き。ゴルフを始めたばかりの人に、ぜひトライしてもらいたいモデルです」

西川に続き3項目4.5点の高得点【総合評価4.3点】

【飛距離】4.5
【打 感】4.5
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・シャフト:CBT:622D(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

プロコーチ、クラフトマン、フィッターとしてプロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイスを経験。江東区・インドアゴルフKz亀戸内「ユニバーサルゴルフ スタジオ」トッププロファイラーを務める。

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