SPEEDER NXを筒康博が試打「多様性を感じるシャフト」
藤倉コンポジット「SPEEDER NX」の評価は!?
渋野日向子や西村優菜ら女子プロの使用率が高く、"次世代型"シャフトとして注目を集める藤倉コンポジット「SPEEDER NX」。8年間続いた「スピーダー エボリューション」シリーズからブランドチェンジし、これまでにない新感覚の挙動で、いまや同社の代名詞となりつつある。そんな新定番モデルはどんなゴルファーに向いているのか!? ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は?
「衝動買いして使ってみるのもあり」
―率直な印象は?
「これまでの『スピーダー』シリーズの走り感の強いモデルというよりは、使用者を選ばないストライクゾーンの広さが特徴のモデルだと思います。特性としては、走り系とも粘り系ともとれる、今までにない感覚のシャフトという印象です」
―今までにない感覚…?
「中元と先中部分にかけて、硬さ・しなりという表現では表せない、何というのでしょうか… "遊び"があります。すごくシンプルではないですが、これを嫌いという人はなかなかいないのではないでしょうか。どんなヘッドと合わせても、どんなスイングタイプが打っても、第一印象で悪く感じる人はいないと思います」
―クセがないということ?
「うーん…、クセがないというよりも、いろいろな要素が混ざっていて、分類するのが難しいというか。全ての要素をちょっとずつ取り入れ、使用者のスイングやフレックスに応じて、強振できて先が走るという人もいれば、粘って暴れないという人もいる。気に入る理由に、多様性があると感じるシャフトという印象を受けます」
―気に入る理由に多様性…?
「カスタムシャフトは、これまである一定のターゲットに向けた性能があるからこそ、存在理由があったと思うのですが、この『NX』は皆が使っているから挿してみるという導入の仕方で使えてしまうターゲットの広いモデルです。ただ、クラブメーカーの純正シャフトとは違う、歯ごたえはちゃんと存在している。不思議といえば不思議なシャフトです」
―試打動画で「飛ぶ」という評判を聞きますが?
「私は飛びに特化している特性ではないと思います。それよりも寛容性の高さが一番のウリ。同社の別ライン『VENTUS』は、どうしてもHSが速いゴルファー向けになりますが、その下の大半のボリュームゾーンを取りにいく、寛容性の高いシャフトといえます。一度使い始めたら、やめる理由が見つからない。同社のアイアンシャフト『MCI』も、使いだした人はほとんど替えませんが、『NX』もそんなウッド用シャフトではないかと思います」
―どのような人向き?
「新しいもの好きな人はぜひ。すでに多くの国内ツアープロが使っていますし、やはりシャフトには流行もあり、評判や最新の情報で判断して購入する人も多いですから、一本くらい衝動買いして使ってみるのもありだと思います」
筒的には粘り<走り【総合評価4.0点】
【走り感】4.0
【粘り感】3.0
【寛容性】4.5
【操作性】4.0
【デザイン】4.5
・使用モデル:SPD NX 50(硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド SIM2 MAX ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。