クラブ試打 三者三様

ATTAS KINGを筒康博が試打「粘るけどしなり戻りが早い」

2022/04/14 05:00

USTマミヤ「ATTAS KING」の評価は!?

人気シリーズUSTマミヤ「ATTAS(アッタス)」から、13代目として登場した「ATTAS KING」。中元部分には復元力の強い4軸カーボンを採用し、先端には高弾性高強度素材「M40X」を取り入れた、暴れずにつかまる先調子モデルとして話題だ。そんな“つかまりキング”を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?

「先も元もある 調子で判断できない特性」

「ステルス」との相性の良さからか「球が全くよれない」と絶賛

―率直な印象は?
「これまでの『ATTAS』シリーズは、特性にエッジが立っている半面、少しチープなイメージと装着ヘッドを選ぶクセの強さがあったのですが、この『KING』はデザインから重厚感があり、ヘッドを選ばない万能性も持ち合わせています」

軽硬モデルに硬さS・Xが追加され幅広なラインアップに

―デザインから重厚感…?
「はい。カタログや雑誌、ウェブ上で見るよりも単調なブルーではなく、光沢感のある加工が施されています。王様をイメージしたデザインも相まって、すごく高級感のある印象を受けます。特にテーラーメイド『ステルス ドライバー』との組み合わせは、青×赤でケンカしてしまうと予想していたのですが、実際にアドレスして上から見ると、色合いが相関しないことでフェースの赤色が際立ちます。実寸よりもシャフトが短く感じられ、操作性が高まる。今後、長い期間で“黄金スペック”と呼ばれる組み合わせになる気がしました」

カラーリングはやや相反している印象もあるが…

―「特性が分かりにくい」という声も聞きますが?
「元々『ATTAS』は、調子表記と振り心地にギャップを感じる傾向の強いブランドです。今作も、シリーズ初の『先調子』とされていますが、振り心地は元調子のイメージに近いと感じる人も多い。そもそも調子は、両端から圧力をかけ、一番曲がった箇所のピークを測定した指標(※メーカーにより計測方法は異なる)なので、振り心地を示す剛性分布(EI)とは異なります。先調子だから走る、元調子だから粘るといった単純な把握の仕方は、一概にはできません」

「純正で5Sだった人は そのまま5Sに移行で問題なし」と筒

―その上で『KING』はどういう特性?
「想像よりも元部分の剛性が高くないので、切り返しである一定のしなり量を感じることができます。中元調子のイメージは、粘りが強く、走りが弱いという特性だったと思うのですが、『KING』はちゃんとしなるのに、比較的戻りも早い。粘るけれど走る。先調子のイメージである走りも、元調子のイメージある切り返しでの粘りも、両方ある特性に感じました」

粘り代表ディアマナにはない走り感があると評した「ディアマナ PD」

―三菱ケミカル「ディアマナ PD」と似ている?
「そもそも系譜が違うため、何ともいえない部分はありますが、現在人気の高慣性モーメントヘッドと合わせる意味で、コンセプトは似ていると思います。慣性モーメントが高いヘッドとの相性を考えると、どうしてもシャフトの先端剛性はそれほど弱められない。その条件下で、シャフトの戻るスピード感は欲しいというゴルファーにも応えたい。そこをどうアピールするかという点で、各メーカーの最新モデルはテーマが同じといえます」

「ディープ形状の浅重心ヘッドとは合わないかも」と筒

―どのような人向き?
「いま使っているモデルでは、あまりシャフトのしなりを感じず、物足りなさを感じている人。また上下左右に打点がずれ、方向性に悩んでいるゴルファー。前作『ATTAS DAAAS』も振りやすく、どんなヘッドにも合う特性でしたが、シャフト挙動として“動くのに暴れない”特性で考えると、よりブラッシュアップされた印象。球の散らばらなさでいうと、『KING』のほうが上と感じる人は多いでしょう」

デザイン5点満点◎を含む高評価【総合評価4.5点】

【走り感】4.0
【粘り感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】4.5
【デザイン】5.0

・使用モデル:5(硬さS)
・使用ヘッド:テーラーメイド ステルス ドライバー(ロフト角10.5度)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール

スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。

UST マミヤ
つかまる、キング。
発売日:2021/11/12 参考価格: 44,000円