GLIDE 4.0 ウェッジを筒康博が試打「『3.0』より打感マイルドに」
ピン「GLIDE 4.0 ウェッジ」の評価は！？
ピンのウェッジシリーズ「GLIDE」の最新モデルとなる「GLIDE 4.0 ウェッジ」。ヘッドに内蔵された樹脂素材「エラストマーCTP」を前作よりも拡大し、心地よい打感と打音を追求しつつ、ヘッド周辺に重量配分した設計によって、ミスヒットへの寛容性を高めた。そんな“ブレないヘッド"を、ヘッドスピード（以下HS）の異なる有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は！？
「『i210』の流れを感じるウェッジ」
―率直な印象は？
「見た目は『GLIDE 3.0 ウェッジ』とほぼ変わりませんが、細かいところの設計で、より他社のツアーモデルと同等の普遍性を身につけた印象です。この形状が嫌い、独特な雰囲気が合わないといったゴルファーはいないと言えるほど、多くのユーザーに受け入れられる形に洗練された気がします」
―スピン性能は？
「丸みのあるソール形状ですごく滑りが良く、地面との接触感が心地いいので、そこが結果的にスピン性能の高さにつながっていると思いました。同社のアイアンもそうですが、丸みや厚み、バウンス角が数値より大きめであっても、実際に打つと抜けが良かったり、バウンスが跳ね返ることがない。その感覚を、『GLIDE 4.0』でも感じることができました」
―「GLIDE 3.0 ウェッジ」と比べると？
「改めて打ち比べると、『―3.0』は打感が硬いことに気がつきます。『―4.0』はソリッドではあるけれど、ボールに溝が食いついている感触が残る。内蔵のエラストマー部分が拡大した影響だと思うのですが、『―3.0』のほうが素材自体は硬めで、弾き感がやや強い気がしました。『―4.0』のフィーリングをアイアンで例えるなら、打感に定評のある『i210 アイアン』似。多くのプロやトップアマが支持している『i210』の感触を、ウェッジでも体感できるモデルといったところでしょうか」
―同社はライ角フィッティングの必要性をアピールしていますが？
「そうですね。逆を言うと、ライ角以外の要素(ソール形状やバウンス角)は、好きなものを選んでいいということなのだと思います。きちんとライ角を選ばないとダメというマイナスな提案ではなく、ライ角さえ合えば他の要素は何を選んでも使いやすいということ。ハイバウンスが好きな人がローバウンスを選んでも、またその逆でも、大きなミスジャッジにはならない裏付けのような気がします」
―気になる点は？
「タイトリスト『ボーケイ SM9 ウェッジ』に代表される他社ウェッジとの違いでいうと、あまり自分でフェースの開閉を行うことを必要としていない部分を感じました。その点で、私は状況によってフェースを開きたいタイプなので、スタンダードなライ角ではちょっと開きにくく感じてしまう。もし使うとするなら、カラーコード(身長と手首から地面までの長さを計測して分類した同社独自の調整表)をフィッティングしてもらい、開きやすさでライ角を選んでもらうと思います」
―どのような人向き？
「ピン『i210』『i59』『i525』や『G425』を含め、現在ピンのアイアンを使用しているゴルファー向き。見た目でも他社ツアーモデルに引けは取らないと言いつつ、ピンのアイアンユーザーが第一候補になるウェッジだと思いました。同社のアイアンとのつながりを考えると、特に打感の部分で、性能を実感しやすいことは確かです」
抜け感以外オール4.5の高得点【総合評価4.4点】
【スピン性能】4.5
【打 感】4.5
【抜け感】4.0
【バンカー対応力】4.5
【構えやすさ】4.5
・ロフト角：52度(バウンス12度/Sグラインド)、58度(10度/S、8度/EYE2)、
・使用シャフト：NSプロ モーダス3 ツアー115(硬さS)
・使用ボール：川口グリーンゴルフ専用レンジボール
取材協力／トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ
■ 筒 康博（つつ・やすひろ） プロフィール
スイングとギアの両面から計測＆解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。