TRI-HOT 5K パターを西川みさとが試打「何となく安定感◎」
オデッセイ「TRI-HOT 5K パター」の評価は!?
ブレード型ながら、5K(5000g・cm2)という大型マレット並みの高い慣性モーメントを誇るオデッセイ「TRI-HOT 5K パター」。ヘッド前方に全体の90%近い重量を配し、トウやヒール側でミスヒットした際にもブレない安定感をもたらすという。そんな新たな概念を構築するシリーズを有識者3人が採点。まずは女子プロゴルファーの西川みさとが試打評価を行った。
「ブレなさは直感で伝わるほどではないものの…」
―率直な印象は?
「元々、操作性の高いブレードタイプが好みで、慣れているぶん打ちやすかったですし、改めてフィーリングを生かせる点で、好印象の形状であることを再認識できました。打感もやわらかすぎるわけではなく、フィーリングが合っていて、とても扱いやすかったです」
―ブレにくさについては?
「そうですね…、明確に感じたかといえば『NO』かもしれません。あとからテクノロジーの解説を聞いて、言われてみれば…と気づく程度。直感で認識できるほどの安定感ではなかったですが、それでも結果的にカップイン率は高かったですし、安定して同じようにボールが転がっていたので、安定感はあったように感じます」
―ミスに対する寛容性は低い?
「ブレード自体、ある程度フェース面を開閉して打ちたいと思わせる形状のため、多少のブレは仕方ないと思います。その開閉している中でも、安定感を生み出す要素が含まれているとすれば、ありがたいこと。真っすぐ引いて真っすぐ当てる大型ヘッドとは違い、多少インサイドインの軌道をつくりながら、つかまえたいという動きの中で、軌道の安定感を生むのであれば、最高のテクノロジーといえます」
―ミスヒットには弱い?
「ストローク中の感じ方としては、フェース面が戻ってくるイメージが、ややバラバラになりやすい気はしました。ですが、パターは大きさも形状も好みで選ぶギアだと思うので、ブレード型を選ぶ時点で、フェース面を開閉するプレーヤーのほうが多い。ミスに対するカバー力は弱くても、ヘッドを思い通りに動かせる操作性が優れている点は、ブレード型のそもそもの特徴といえます」
―好みの形状は?
「ショートスラントネックの『―THREE』が好みです。私はパターを、ヘッドやブランドよりもネック形状で選ぶことが多く、特にショートスラントはおすすめ。地面に対して低い位置に意識を持っていける点で、ここ数年間はずっと愛用しています」
―どのような人向き?
「最新の大型ヘッドよりも、打感やフィーリングを大切にするブレード型が好きな人。特に、ブレード型でゴルフを覚えたオールドプレーヤー向き。パターは、ゴルフを始めたときに使っていた形を好む傾向にあるため、ブレード型を愛用していた人は、たまに大型ヘッドに浮気しても、きっとブレード型に戻る。そんなブレード型出身者に、試してもらいたい一本です」
寛容性3.5△に対し転がり4.5◎【総合評価4.0点】
【転がり】4.5
【打 感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0
・THREE /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・DOUBLE WIDE /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X
取材協力/トラックマンジャパン株式会社
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。