トゥーロン パターを筒康博が試打「白ラインの長さが気になる」
オデッセイ トゥーロン パター「ル マン」「デイトナ ビーチ」の評価は!?
パターブランドの雄「オデッセイ」で唯一のノンインサート(削り出し)シリーズである「トゥーロン(TOULON) パター」。2022年モデルとしてすでに4機種(シカゴ、サンディエゴ、アトランタ、ラスベガス)がラインアップされていたが、これまでにはなかった新形状の大型マレット2モデルが追加された。同社『ELEVEN』に近い台形型の「ル マン」と丸みを持たせた「デイトナ ビーチ」を、有識者3人が採点。ご意見番クラブフィッター・筒康博の評価は!?
「さすがの削り出し 趣の違いを再確認」
―率直な印象は?
「耳に心地いい打音と手に伝わる振動が、何とも削り出しだなと感じさせるものに仕上がっています。見た目も、落ち着いたデザインと色味で、所有感を持てることはもちろん、構えたときに落ち着いて構えられる点でメリットが大きい。長い期間使うことを前提に作られたハイエンドモデルということを、改めて実感しました」
―他モデルとはやはり違う?
「そうですね。オデッセイシリーズの中でも、『トゥーロン』はやはり趣がひと味違う印象です。特にその差を感じる部分は、インパクト時のフィードバックの違いです。フェース面のテクノロジーというよりも、感触と音で伝わる反応の速さ。以前インサートパターを試打した際、削り出しとの差が無くなりつつあると評価しましたが、まだまだインサートを嫌うゴルファーが多いのは事実。そういった方に向け、しっかりフィーリングを提供できる性能の高さを感じます」
―フィードバックを感じるならブレード型のほうがおすすめ?
「大型マレットよりは、ブレード型のほうが“らしさ”は、実感できるでしょう。ですがそれよりも、この形状を削り出しでも選べてしまう凄さに注目したいです。『トゥーロン』のユニークな点は、同メーカー内にライバルが存在すること。2022年の最新形状を、この時期にインサートと削り出しで選べてしまうスピード感。きっと他社では真似できない層の厚さ。他社が最も脅威に感じる部分だと思います」
―気になる点は?
「構えやすさに関しては、たまたま私の好きな形状とサイトラインではなかっただけのことですが、中央の白ラインが主張し過ぎている点が気になります。このラインがもう少し短くなれば、構えやすさの評価は3.0点ではなく、4.5点に変わっていました」
―白ラインは不要?
「今回の形状と落ち着いたデザインであれば、ここまでインパクトの強い1本線は必要なかったように感じます。同社の『TEN』『ELEVEN』では気にならない部分ですが、『トゥーロン』の所有感と打感を味わうなら、白線の主張はもう少し抑えたほうが良いかなと…。現状の3分の1ほどの長さでも良かったと思いました」
―どのような人向き?
「高性能で所有感が持てる“いいパター”を長く使いたいというゴルファー向き。他社でいえば『スコッティキャメロン』のような、使っていて他人から格好いいなと憧れられるモデル。持っている自分も高揚できるパターだと思います」
打感5◎構えやすさ3△の大幅高低差【総合評価4.2点】
【転がり】4.5
【打 感】5.0
【寛容性】4.0
【操作性】4.5
【構えやすさ】3.0
・ル マン /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・デイトナ ビーチ /ロフト角:3度 ライ角:70度 長さ:34インチ
・使用ボール:ブリヂストン ツアーB X
取材協力/トラックマンジャパン株式会社
■ 筒 康博(つつ・やすひろ) プロフィール
スイングとギアの両面から計測&解析を生かし、プロアマ問わず8万人以上のゴルファーにアドバイス。インドアゴルフ「ゴルフレンジKz亀戸店」のヘッドティーチャーを務める傍ら、様々なメディアにも出演中。大人のゴルフ選びフィッティングWEBマガジン「FITTING」編集長として自ら取材も行う。