クラブ試打 三者三様

スリクソン ZX5 Mk II ドライバーを西川みさとが試打「前作の打感のほうが好み」

2022/12/13 07:00

ダンロップ「スリクソン ZX5 Mk II ドライバー」の評価は!?

ダンロップ「スリクソン ZX5 Mk II ドライバー」は、松山英樹の「マスターズ」制覇に貢献した前作「ZX5 ドライバー」の後継として注目されるNEWドライバー。大きく変わった点は、カーボン複合素材からフルチタンに回帰したこと。打感の向上、初速&安定感はアップしているのか!? 気になるポイントを押さえつつ、HSの異なる有識者3人が採点。まずは40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「大きくシフトチェンジ 本来のイメージに回帰した印象」

持ち球ドロー回転がかからず そのまま右に出る弾道が多かった

―率直な印象は?
「スピン量が比較的抑えめで(平均2400rpm)、球が上がり切らない印象を受けます。ボールのつかまり度も抑えめなのか、持ち球のドロー回転がかかり切らず、左に戻ってこない弾道が多かったです。インパクト前後でヘッドが十分に走る感覚が持てず、ハードなスペックに感じられました

フルチタンに戻すことで接合部をなくし 、さらなるたわみを生む構造に

―タイトリスト「TSR」シリーズよりハード?
「そうですねー、『TSR』より全体的にやさしいイメージです。ただ、球筋を見ると、系統は同じ印象を受けます。見た目は投影面識も大きく、重心が深そうで、やさしい形状ですが、実際は『TSR』と同じように高さが出ず、飛距離も出ない結果(総距離:平均200.7yd)に…。原因はボールにしっかり力が伝え切れないまま、低スピンで棒球すぎる弾道になってしまったからだと思われます」

フェース後方から中央にかけて大きく変化したソール面

―前作「ZX5」と比べると?
「前作のほうが、インパクト時の食いつき感とボールがフェースから離れていく時間が適度で、飛ばせる感覚とコントロールできるイメージが同時に湧く印象です。『―Mk II』と前作は、そもそもコンセプトが違い、比較対象ではないのでは? と疑ってしまうほど変化が大きく感じられました」

前作以上に反発性能が向上し、ボール初速アップを実現する新「リバウンドフレーム」

―そこまで大きく違う?
「はい。見た目も大きく異なっていますが、打感が全く変わった印象を受けます。同じリバウンドフレーム(剛性の高いエリアと低いエリアを交互に配置した4層構造)を採用していますが、中身は大きく異なるフィーリング。プレーヤーの好みがはっきり分かれる点だと思いますが、私はボールにくっ付いてから離れる感触が強い前作のほうが好きかもしれません。『―Mk II』は、もう少しHSの速さが必要な気がします」

左が「―Mk II」右が前作。クラウンの加工の違いで印象も大きく異なる

―見た目の違いが影響している?
「確かに、そうかもしれません。クラウンがマット加工でどこか冷たい印象の『―Mk II』と、光を反射して温かい印象のカーボン複合『ZX5』を見比べると、それぞれ硬・軟のイメージが表れます。これまで(打感を味わう際は)、あまり素材を意識したことはなかったですが、今回打ち比べてみて、無意識のうちに視覚からの影響を受けていることに気がつきました」

「数値以上にスピンの少なさを実感しました」と西川

―どのような人向き?
「HS42m/s以上は必要な気がします。もともと『スリクソン』シリーズに抱いていた、ある程度振り切れる人向けというイメージに回帰した印象。前作のほうがやや小ぶりで、操作性が高いうえに、打感が好みだったため、私には好印象に映りましたが、逆に『―Mk II』のほうがやさしく、しかもスピン量を抑えられる=飛距離が伸びるメリットを感じる人は多いと思います」

前作評価(4.2点)よりダウン…【総合評価3.8点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.0

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:ディアマナ ZXII50(硬さS)
・使用ボール:川口グリーンゴルフ専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、川口グリーンゴルフ

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

ダンロップ
発売日:2022/11/19 参考価格: 79,200円