クラブ試打 三者三様

パラダイム トリプルダイヤモンド ドライバーを西川みさとが試打「◆◆◆ならではの弾き」

2023/02/28 07:00

絶好調ラーム使用モデル HS30m/s台の女子プロ評価は!?

2月24日に発売されたばかりのキャロウェイ「パラダイム」シリーズ。中でも2023年に入ってから既に3勝と、大活躍を見せるジョン・ラーム(スペイン)を支えているのが、セレクトストア限定の「パラダイム トリプルダイヤモンド ドライバー」だ。一般アマチュアにはハイスペックと分かっていながらも、気になる人は多い注目モデルを、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが試打評価を行った。

「つかまり切らないものの 他モデルと比べて打感は秀逸」

いつものドローボールは見られず 右方向へのストレート弾道が多かった

―率直な印象は?
「私の好みである小ぶりサイズで、形状も操作性の高さをイメージできる三角形に近い顔立ちだったので、とても構えやすかったです。構えやすさの評価が4.5点と、同シリーズ内で一番高い評価(スタンダードモデル『パラダイム』4.0点、『パラダイム X』3.5点)となりました」

前方に2g、後部に14gのウエイトを搭載。2つを入れ替えることでスピン調整も可能

―性能面はやはりハード?
「まぁそうですね。HS35~36m/s平均の私にとって、最初に使用した『SPEEDER NX GREEN 60』はやはり重くて硬い印象が強く、ボールがつかまり切らずに右方向ばかりの弾道となってしまいました…。次に試打した50g台『TENSEI 55 for Callaway(※スタンダードモデル、『―X』の純正シャフト)』は、扱いやすい操作感と適度なしなり感を生かして振り切ることはできたのですが、どちらも持ち球であるつかまったドローを出すまでには至らず…。軽快さを加えるとすれば、もう一段階スペックを落としたシャフトでの調整が必要な気がしました」

「―トリプルダイヤモンド」の純正ラインアップに入っていないものの今回特別に「VENTUS TR 55」を使用(上) ※下は純正「SPEEDER NX GREEN」

―スタンダードモデル『パラダイム』のフェードポジションと比べては?
「フェードポジションとの打ち比べは初めての体験でしたが、ノーマルポジションとは全く異なる感じで、それほどつかまり過ぎない印象を受けました。『―トリプルダイヤモンド』と比べると、ハードな印象はないものの、それでも右方向への弾道が気になります。どちらも右方向が多かったですが、見た目の好みを踏まえると、よりヘッド操作のしやすい『―トリプルダイヤ』の方が私には振りやすく感じられました

スタンダードモデルのペリメーターウエイトを「フェードポジション」に移動

―「―トリプルダイヤモンド」の打感は違う?
「スタンダードと『―X』とは全く異なる打感です。他2モデルと比べ、インパクトの瞬間にボールが反発している感触がすごく残ります。やわらかさとも違う、いい感触の適度な弾き感を味わうことができます。スタンダードと『―X』は比較的に硬さがあり、弾きが想像以上に強く出てしまうため、『―トリプルダイヤモンド』の方がボールとの接触時間を長く保てるように感じました」

着弾地点のブレ幅も抑える新アルゴリズムを採用「AI OPTIMIZEDフェース」

―同時期発売の「ステルス2 プラス ドライバー」と比べると?
「うわー、どちらもハードスペックなので難しい判断ですが、ボールへの食いつき方が良かったのは『―トリプルダイヤモンド』の方です。『ステルス2 プラス』の方が、少しだけボールとのコンタクトが短い。フィーリングだけで言えば、他の兄弟モデルに近いのが『ステルス2 プラス』。『パラダイム』シリーズでも『―トリプルダイヤモンド』だけが特別な打感で、他モデルより若干弾きを抑えた適度さが味わえるような気がします」

「シャフトとの組み合わせで微小ながら特性は変わるものの 全体的な評価は同じ」と西川

―どのような人向き?
「やはりハードヒッターといわれるHSが速い人(45m/s~)が持つべきモデルだと思います。ただ、実際に打ってみた印象は、それよりも若干遅め(42~3m/s)からでも扱えるほど、打ちやすさとミスヒットへの寛容性を感じました。これまでの『―トリプルダイヤモンド』のイメージより少しだけ和らいだ感覚。スタンダードモデルと比較しながら、購入を検討しても良いレベルかもしれません。その際は、構えたときの顔の好みで選んでも良いと思います」

ハードさは否めず総合点は低調…【総合評価3.9点】

【飛距離】3.5
【打 感】4.0
【寛容性】3.5
【操作性】4.0
【構えやすさ】4.5

・ロフト角:10.5度
・使用シャフト:SPEEDER NX GREEN 60(硬さS)、TENSEI 55 for Callaway(硬さR)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 西川みさと プロフィール

1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。

キャロウェイ
ツアープレーヤーが好むヘッド形状 シャープに振り抜ける先進モデル
発売日:2023/02/24 参考価格: 96,800円