ステルス2 HD フェアウェイウッドを西川みさとが試打「1Wほどの変化はなし」
1W以上の評判FW HS30m/s台の女子プロ評価は!?
1月初旬の発表から、ギア市場の話題をさらっているテーラーメイド「ステルス2」。革新性で脚光を浴びるドライバーとともに注目されているのが、同社の代表的テクノロジー「Vスチールソール」を搭載したフェアウェイウッド(以下FW)だ。正統進化を続けるFWの性能を、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。まずはHS40m/s未満の女子プロ・西川みさとが、ドローバイアス設計「ステルス2 HD FW」を評価した。
「つかまる動きはアリ そこまでのやさしさはナシ」
―率直な印象は?
「ドローバイアス設計の影響かは分かりませんが、インパクト前後でヘッドが返る動きが微小ながら入る感覚があり、結果的にボールはしっかりつかまってくれます。ヘッドサイズは、同シリーズの他モデルよりやや大きく、性能面だけでなく見た目にも安心感が持てるメリットを感じます」
―やさしいモデルと言ってもいい?
「そうですね。スライスに悩む方には、やさしいと感じる人は多いかもしれません。もともとFWは、ティアップだけでなく、ボールがつかまりにくい芝の上からのショットに使うことが多いクラブなので、つかまりやすい特徴は大きな武器となります。シリーズ3機種の中でいえば、『―HD』をやさしく好意的に感じる人は多いでしょう」
―スタンダードモデル「ステルス2 FW」と比べると?
「ロフト角が1度違う設定(3Wで『HD』が16度、スタンダードモデルが15度)で、アドレス時に上から見た印象が影響し、スタンダードモデルより『―HD』のほうが、ボールを上げやすいイメージが持てます。その分操作性がやや落ちる感じがあり、狭いホールで狙った方向に打ち出したい場合は、スタンダードモデルのほうが適しているように感じました」
―限定モデル「ステルス2 プラス FW」と比べると?
「前後にスライディングウエートが搭載されていることもあり、振り心地でヘッドがかなり重く感じられました(総重量:316g、『HD』は311g ※硬さSの場合)。私のHSでは(3Wで平均33.4m/s)、何とかティアップで当てられたというレベルのハードさ。芝の上からのショットでは太刀打ちできない可能性が大きいです。3機種の中から選ぶとするなら、スタンダードモデルか『―HD』になると思います」
―他社のFWと比べると?
「現在、自分のキャディバッグの中に『SIM FW』の3Wを入れていて、同社のシルエットに慣れていることもあり、3機種とも構えやすく感じられました。ドライバーと同様、大き過ぎるサイズは打ちにくく感じるタイプなので、同社のやや小ぶりな形状が好きです。一番サイズが大きい『―HD』でもやや三角形でスリムに見え、上下の厚みが小さいシャロー形状が、ボールを拾うイメージを湧かせてくれるので、とても扱いやすいです」
―どのような人向き?
「やさしいモデルと言いましたが、同シリーズの3機種の中ではやさしいという意味で、どんなアベレージゴルファーでも実感できるやさしさというわけではありません。ドライバーは『ステルス』→『ステルス2』になって、明らかにやさしく進化しましたが、FWにはそこまでの変化を感じることはできませんでした。少しハード寄りというか、中級者と呼ばれるゴルファーより、ちょっと上のレベルの人にマッチするFWかもしれません」
若干のハードさが気になる結果に…【総合評価3.9点】
【飛距離】4.0
【打 感】4.0
【寛容性】4.0
【操作性】3.5
【構えやすさ】4.0
・ロフト角:16度(3W)
・使用シャフト:TENSEI RED TM50(硬さS)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール
取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋
■ 西川みさと プロフィール
1977年7月10日生まれ、埼玉県出身。専大時代の1998年に「日本女子学生選手権」で優勝。大山志保・古閑美保らとともにナショナルチームで海外大会に出場した。2002年のプロテスト合格後は、飛距離こそ出ないものの、ショートウッドを巧みに使う技巧派として、美しいスイングを武器にレギュラーツアーで人気を集めた。