クラブ試打 三者三様

スリクソン Z-FORGED II アイアンを万振りマンが試打「『I』より弾道が理想的に」

2023/06/10 21:00

新形状を採用した松山アイアン HS50m/s台のYouTuber評価は!?

「ザ・メモリアルトーナメント」で大会2勝目に向けて躍動した松山英樹。彼の手に握られているのは、4月に発売されたばかりの「スリクソン Z-FORGED II アイアン」で、分厚い打感をかなえる新形状のブレードアイアンだ。そんなこだわりが詰まったモデルを、前作「スリクソン Z-FORGED アイアン」と比べながら、ヘッドスピード(以下HS)の異なる有識者3人が採点。フルスイング系YouTuber・万振りマンの評価は!?

「ほれぼれするコントロール性能 改めて感じるマッスルの魅力」

つかまった弾道も見られたが 総じてイメージ通りと高評価

―率直な印象は?
「インパクト時の打感も、出球のフィーリングも、スピンのかかり具合も、ほれぼれするほどイメージ通りです。飛距離性能に特化した“飛び系”や、見た目はシュッとしていても性能は飛び重視の複合素材モデルが流行している中で、そもそもアイアンってこうだよねと思わせてくれるモデルでした。いろいろ計算せずイメージした球を打てる点は、とても好印象に映りました」

優れた操作性と最新のテクノロジーから生まれた繊細な打感

―「I」と比べると?
「『I』のほうがバックフェースがシンプルで切れ味が鋭いイメージが湧き、ボールを上から潰していけそうな印象を受けます。『II』より少しだけシャープに動かしやすそうな感じ。一方『II』は、バックフェースのトウとヒール側を削ぎ落とし、中央を肉厚にした形状に変更したことで、多少ミスヒットに強いやさしさを感じます。バックフェース形状が、打つ瞬間の方向性の出しやすさに影響していると思います」

I(右)と比べて中央部を厚肉化「PURE FRAME(ピュア フレーム)」を施したII(左)

―実際に試打した感想の違いは?
「『I』のほうがシャープで操作性の高さを連想できて好みの形状なのですが、実際は『II』のほうが理想的な弾道でした。比較的球が低く、途中からフワッと浮いて、スピンがキュッと効く印象。7番アイアンの的確な飛距離と弾道を実現している点で、理想的に感じられます。『I』は全体的に弾道がやや高めで、低い打ち出し角から途中でひと伸びしてくれる『II』のほうが、距離感を繊細に表現できるイメージが湧きます」

左がII右がI。Iに比べて微小だがトップブレードはやや薄く、小ぶりになった印象

―かなり大きく違いを感じる?
「いえいえ、どちらも小ぶりで精悍なマッスルバックのため、基本的な性能は大きく変わっていません。打ち比べて分かる微小な違い。微差のため、『I』のほうが性能が落ちる、『II』のほうがやさしいというわけではありません。『I』だけ『II』だけをそれぞれ使ってみて、どちらかをイメージ通りと評価する人は多いと思います。打ったときに感じるインスピレーションを重視してください」

マイルド熱処理仕様の軟鉄鍛造でレーザーミーリング加工を施したフェース面

―高評価だったピン「i230 アイアン」と比べると?
「これは悩むところですね…。うーん、すぐに使うなら『i230』、将来的にうまく使いこなせたらと先々まで考えると『Z-FORGED II』になるでしょうか。性能面でいっても『i230』は複合素材のマッスルバックで、やさしさを前面に出している分、誰もが感じるほど大きな違いだと思います。どちらもそれぞれのカテゴリーで魅力が詰まっている。精悍さとやさしさの両立を求めるなら『i230』、研ぎ澄ませた感性を追求するなら『Z-FORGED II』と、プレーヤーの思考に合わせて選ぶべきだと思います」

「『i230』は初級者も扱える性能、『Z-FORGED II』は弾道にこだわる人対象」と万振りマン

―どのような人向き?
「スリクソンの打感のよさと出球の美しさを感じ取れるという意味では、中上級者がターゲットになるでしょう。フェース面にボールを食いつかせ、計算してスピンをかけ、ギュッとグリーン上で止める。ゴルフの醍醐味とも呼べるこのフィーリングを味わうには、初級者には少しハードルが高いかもしれません。狭い花道でもボールをコントロールして攻略したり、グリーン手前に大きなハザードのある難しいセッティングでも、距離を操作して攻めていきたい人に、最適なアイアンだと思います」

操作性&構えやすさで5点満点【総合評価4.6点】

【飛距離】4.0
【打 感】4.5
【寛容性】4.5
【操作性】5.0
【構えやすさ】5.0

・ロフト角:33度(7I)
・使用シャフト:ダイナミックゴールド DST(硬さS200)
・使用ボール:リトルグリーンヴァレー船橋専用レンジボール

取材協力/トラックマンジャパン株式会社、リトルグリーンヴァレー船橋

■ 万振りマン プロフィール

登録者2万人超えのフルスイング系YouTuber。2017年よりYouTubeにて「-Mr.FULLSWING MEN-万振りマン」チャンネルを開設し、数多くの試打動画をアップ。豪快なフルスイングが話題を呼び、人気に火がつく。日本プロドラコン協会(JPDA)B級プロライセンスを取得。

ダンロップ
世界で戦うためのブレードアイアン
発売日:2023/04/15 参考価格: 138,600円